内容説明
普通のOLだった未緒は異世界に流され、女性で初めて“水の司”となる。三国を取り持つ要職にもかかわらず、無知で力も操れない駄目な司だと馬鹿にされる日々。元雇い主エアリスとの関係を邪推されてブチギレると、勢いで三国の視察を決める。最初の訪問国で待ち受けていたのは、女性司を侮る権力者と女性陣の陰湿な虐め、夢のような美丈夫の将軍や知的な美青年たちからの求愛だった。それはモテ期の到来?それとも…。
著者等紹介
夏目翠[ナツメスイ]
第4回C・NOVELS大賞を受賞し、『翡翠の封印』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひめありす@灯れ松明の火
28
水脈の娘、美緒の物語。タイトルが如実に内容を表している←というかほぼネタバレなのでは?!と思います。美緒の気持ちがちょっとわかってしまう。後ろにしっかり自分が無いから、前に張っていくしかない。咄嗟に出た物を塗り固めてしか、自分の意思を作れない。だって、今まで何一つ自分が通ったことなんてなかったから。動かぬ水面。淀み濁っていく水。だけどその中確かに、脈々と流れていた水底の脈。遠く遠景ならばはっきりと感じるその力の流れ。それが本当は、全体を司っている。自分の中にある流れ、いし。奔り出したら止まらぬ気持ちと力。2012/07/12
さこぽん
17
シリーズ第二巻。 美緒が<水の司>になってからの話だ。 きたーっ!きた、きた!逆ハーきたーっ! でもちょっと色気少なめなのが残念。 暴漢に襲われた時、自分の身を犠牲にして美緒を助けようとした誇り高いティアを見直したし、水の司だと自覚しまったく別人のように成長した美緒がかっこいい。 もう少し挿絵があったらいいのになぁ・・・。2014/03/27
ダージリン
17
水の司としての自信を持てないミオが、政治的思惑がらみで口説かれまくってますが、なかなか苦難の日々。エアリスの助けとティアとの友情で高揚感のあるラストへ!面白いのに、次で最終巻らしいのが残念です~。2012/03/24
shizuca
14
気になりすぎて続けて読了。エアリスとの距離がどうなるかとわくわくしながら読み、エアリスが不憫になりました。「水の司」だから守ってるとか「元々主従関係」だったからその情から守ってるとか思われても仕方がないのですが、あの態度は未緒を意識してるのまるわかりですよ、が、それに気づかない未緒はこれまたどれだけ自分に自信がないのか。そして、前巻はかすめる程度だったティアがかなり幅をきかせて、話に華がくわわります。スカッとします。女の戦いは女にしかわからないやり方がありますね、ティア、ナイスです。2015/04/25
U
13
次で最終巻とは残念な……! ティア様のけろりと殺伐な性格が面白い。良い友人ですね。殿下はちょう頑張ってた。エアリスは色々と惜しい(笑)。将軍はまっとうなハーレムに成り代わりました。ミオが自信ないのも、当然といえば当然だし、頑張って欲しいならもうちょっと説明しようよ!と思うし、エイリーズの民じゃない人間に過度な恩恵を求めるのもちょっとずるい。それを踏まえた上での後半のミオがとてもカッコ良かった。能力を使うときの、ミオの内面の高揚、みたいなものに、ファンタジーを感じてこっちまで高揚します。いいね大規模能力!2012/04/01