中公文庫<br> 法王の牙―病院サスペンス集

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中公文庫
法王の牙―病院サスペンス集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 336p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122075290
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1193

出版社内容情報

黒岩重吾生誕100年企画。「病院」「医療」を背景にした作品は、直木賞受賞作『背徳のメス』(長篇ミステリ)に代表される、黒岩重吾の初期作品の真骨頂。著者自身の戦争体験、戦後の小児麻痺による闘病を色濃く投影し、社会の底辺から、病院に巣くう権力構造、愛憎、欲望、人間の業を描き出す。ミステリ寄りの作品であっても、人間を描くところに妙味があり、また、関西舞台の作品にも味わいがある。以下6篇を収録。「病葉の踊り」「深夜の競走」「法王の牙」「さ迷える魂」「造花の値段」「最後の踊り」

内容説明

黒岩重吾初期作品の真骨頂、「病院」「医療」を背景にしたサスペンス集。著者自身の戦争体験、戦後の小児麻痺による闘病を色濃く投影し、社会の底辺から、病院に巣くう権力構造、愛憎、欲望、人間の業を描き出す。表題作ほか全六篇。

著者等紹介

黒岩重吾[クロイワジュウゴ]
1924(大正13)年、大阪市生まれ。同志社大学法学部卒業。在学中に学徒動員で満州に出征、ソ満国境で敗戦を迎える。復員後、証券会社などに勤務しながら、「近代説話」の同人として小説を執筆。60年『背徳のメス』で直木賞、80年『天の川の太陽』で吉川英治文学賞を受賞する。91年紫綬褒章受章、92年菊池寛賞受賞。2003年死去

日下三蔵[クサカサンゾウ]
1968(昭和43)年、神奈川県生まれ。専修大学文学部卒。ミステリ・SF研究家、アンソロジスト。編書『天城一の密室犯罪学教程』で第五回本格ミステリ大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鷹ぼん

3
いかにも黒岩重吾らしい短編集。『病葉の踊り』『深夜の競走』は、生々しい人間劇で、行き場のない長期入院患者たちの言動や院内の光景が息苦しく感じる。病院内の描写は、さすが長期入院生活を送った作者だけに、その臭いまで漂ってきそう。表題作『法王の牙』は他の収録作とは違い、大学病院内での権力構造を描いている。『さ迷える魂』『造花の値段』『最後の踊り』はいずれもエグイ展開。一言「ひどいなぁ~」と漏らしてしまうストーリーで黒岩重吾の真骨頂。多くの作品にえっちぃ場面が描かれているが、若い女性の身体の描き方が冴えている。2024/07/24

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