出版社内容情報
帝国軍上陸部隊を前に稚拙な戦術で後退を余儀なくされる皇国軍主力。少佐に昇進した新城は訓練不足の近衛鉄虎兵を率い、波打ち際の最前線に血路を拓くが!?
内容説明
北領での武勲で少佐に昇進した新城は、皇主に奏上する栄誉と引き替えに、近衛とは名ばかりの弱兵部隊へ転属となった。練兵の間もなく帝国軍の龍洲上陸作戦が発動。湾を埋め尽くす大陸上部隊を、興廃を賭して皇国軍主力が迎え撃つ。訓練不足の近衛鉄虎兵を率い、新城は波打ち際の最前線に血路を拓くが!?書き下ろし短篇「織業倫理」を収録。
著者等紹介
佐藤大輔[サトウダイスケ]
1964年、石川県生まれ。戦略シミュレーション小説に独自の世界を切り開く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hnzwd
30
シリーズ第三弾。北領を帝国に抑えられ、皇国本土防衛戦がついに開始。主人公には異例とも言えるくらいの権限が与えられ、指示する戦いの規模もだんだん大きく。完結まで読みたい本の一つ。ふたご座流星群にでも願いをかけるかぃ。2013/12/16
東京湾
24
「どうしていざとなると、誰も彼もが地獄へ望んで進撃したがるのだ?」 ついに開始される<帝国>軍の本土上陸、「アレクサンドロス作戦」。迎え撃つは新城率いる近衛衆鉄虎兵五◯一大隊。ここからは漫画版最終回以後の話となるので、いったいこの先どのような展開が待っているのかと、期待に胸を膨らませながら読み進めた。そしてその期待を遥かに上回る面白さたるや。前半は新城を取り巻く親交や軋轢、冴香の登場や<帝国>の不穏な動き等、まさに嵐の前の静けさといった感じで、その後瞬く間に繰り広げられる戦場の描写には息を呑んだ。次巻へ2016/10/19
ぺぱごじら
23
どんなに普段仲が悪い組織でも、外敵の来襲には団結するものだが、そうならないあたりに皇国の『おしまい加減』がよく出ている。将家同士が暗闘を続ける中での『極端に味方が少ない男』の振舞いが、後々どう影響するのか。硝子細工のような緻密で脆い前半とは打って変わり、後半は考えること、企むことの何もかもが一瞬で爆砕する清々しい『戦争』。文庫版は書き下ろし収録で、これがまた我らが『新城直衛』の清々しいまでの屑っぷり(或いは率直さ)を端的に表していて、にやりとさせられる。2013-1892013/11/23
柳 真佐域
21
出だしから面白い。新城直衛という人間をどう描くかでこの物語が面白いものなのか、なろう小説のようにひどく陳腐になってしまうかの分かれ目だと思う。新城を滑稽にひ弱に描くことは細心の注意を払わなければならない。強さを描くときもまた同じだ。狡猾であり皮肉家で上司に、頭を下げつつも内心覆してしまう策を練っているふてぶてしさを、どこまで読者に悟らせないか。或いは悟らせておくべきか。絶妙な匙加減を期待してページを捲る。容易く殺せるように思っていた相手に渾身のジョルトカウンターを決めて見せる新城はやっぱりカッコいい。震え2019/04/13
モルツ
18
新技術により戦術が中世から近代へと変化していく戦場。あらゆる領域において新たな技術・発想が物事を新しい段階へと引き上げて行くんだなあ。2014/02/02