感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
LUNE MER
17
女三の宮に対する柏木の不義密通、不義の子・薫の誕生と父・柏木の死…が本巻のメイン。今までは藤壺と源氏の関係性との自己相似として単純に捉え、自分を棚に上げている源氏という見方をしていたのだけど、窯変を読むと源氏の立ち位置に配するには柏木が貧弱過ぎるという思いになってきた。確かに源氏って本当に自分を拒む相手に対しては踏みとどまっていた気がする。そして女三の宮を介しての兄・朱雀院と源氏の粘着質な心理的駆引き。朱雀院という男の存在の不気味さが他の翻訳にはないくらい際立っている。2021/12/17
かふ
13
「若菜下」「柏木」と柏木メインだが女三宮を巡っての朱雀院と光源氏。異母兄である朱雀院に対しての憎悪が半端なく、女三宮のこともむしろ朱雀院の娘だから顧みないというのがあったのだと思う。その見せしめとして朱雀院への祝の中で源氏一族の晴れの場に妊婦のまま琴を演奏しなければならなかった仕打ちの酷さ。さらにそこに柏木まで招いてという。朱雀院はすでに女三宮の噂を知っていただろうから、音楽好きの朱雀院にその合奏を聴かせることがどれだけの苦痛であり屈辱であったことだろうか。柏木はその状況に巻き込まれた若造に過ぎなかった。2024/06/14
:*:♪・゜’☆…((φ(‘ー’*)
2
40の長寿祝いを迎える源氏が、出家した朱雀院から押しつけられた娘・女三の宮13歳。娘と二つしか違わないじゃないか、夕霧の相手だろう…とドン引きなのに、外堀を埋められ結婚。紫の上を差し置いての結婚なので、この「外堀を埋め」ということが延々語られる「雨夜の品定め」@朱雀院。院は源氏のことを好きなのに、源氏はつれない。帝位にあっては優柔不断、退いては病を言い立て気を引こうとする、出家したくせに7年も8年も俗世に口出し…っていうか、女々しいくせに…そもそも男なんだもん、興味ないと。源氏、ハッキリしているから好き2021/12/05
みほ
2
甚振るばかりの楽しみかぁ…。若菜はえぐい。2014/01/10
鈴木貴博
1
物語の最高潮、「若菜下」「柏木」。光源氏自身が語る趣向から、源氏が朱雀院、女三宮、衛門の督らにそれぞれ心の中で毒づき、自らの行動も突っ込むことになり、その冴えた舌鋒で物語に対する理解が更に深まる感覚。面白い。2025/03/02
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