感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
sheemer
22
長目にふくらんだ本文。源氏の一人称で描く隠れたミソジニー的手前勝手。男性的・政治的で権力構造の中から源氏物語を見直す感じでかなり珍しい。藤式部という女性もこのように捉えていたのか?と興味を持つ。物語の中でも最もスキャンダラスな場面。柏木の立ち位置、今上帝と女三宮の関係性など新たな関係の認識が生まれた。源氏がかかわった女は全て父を欠くこと、父性への敵対「女の父は"敵"でしかない」こと、成就されない父子相姦の継承が"夫"であることなども。琴の学び、音楽に関連した蘊蓄も思いの外に潤沢。自分にはこれは上級編だ。2025/12/27
LUNE MER
19
女三の宮に対する柏木の不義密通、不義の子・薫の誕生と父・柏木の死…が本巻のメイン。今までは藤壺と源氏の関係性との自己相似として単純に捉え、自分を棚に上げている源氏という見方をしていたのだけど、窯変を読むと源氏の立ち位置に配するには柏木が貧弱過ぎるという思いになってきた。確かに源氏って本当に自分を拒む相手に対しては踏みとどまっていた気がする。そして女三の宮を介しての兄・朱雀院と源氏の粘着質な心理的駆引き。朱雀院という男の存在の不気味さが他の翻訳にはないくらい際立っている。2021/12/17
かふ
15
「若菜下」「柏木」と柏木メインだが女三宮を巡っての朱雀院と光源氏。異母兄である朱雀院に対しての憎悪が半端なく、女三宮のこともむしろ朱雀院の娘だから顧みないというのがあったのだと思う。その見せしめとして朱雀院への祝の中で源氏一族の晴れの場に妊婦のまま琴を演奏しなければならなかった仕打ちの酷さ。さらにそこに柏木まで招いてという。朱雀院はすでに女三宮の噂を知っていただろうから、音楽好きの朱雀院にその合奏を聴かせることがどれだけの苦痛であり屈辱であったことだろうか。柏木はその状況に巻き込まれた若造に過ぎなかった。2024/06/14
maekoo
8
画期的な深掘昇華現代語訳全14巻の九巻、若菜下・柏木を描く502P。 若菜下だけで396P! 先の清水好子教授の論文の様にこれまでの物語の登場人物の個性と想いが見事に結実し、柏木と女三宮・光源氏を取り巻く人々をも含む的確な人物造形と人間模様を楽しめ、その複雑で哀しいまでの人間心理・食い違いとやるせなさを追体験する! ずーっと光視点で書かれているのをどう料理するかと思ったがなるほどこう来たかな素晴らしい文体と表現! 小侍従や一条の御息所等掘り下げた人物造形も楽しめ源氏物語マニアには堪らない昇華された現代訳!2025/11/20
:*:♪・゜’☆…((φ(‘ー’*)
3
40の長寿祝いを迎える源氏が、出家した朱雀院から押しつけられた娘・女三の宮13歳。娘と二つしか違わないじゃないか、夕霧の相手だろう…とドン引きなのに、外堀を埋められ結婚。紫の上を差し置いての結婚なので、この「外堀を埋め」ということが延々語られる「雨夜の品定め」@朱雀院。院は源氏のことを好きなのに、源氏はつれない。帝位にあっては優柔不断、退いては病を言い立て気を引こうとする、出家したくせに7年も8年も俗世に口出し…っていうか、女々しいくせに…そもそも男なんだもん、興味ないと。源氏、ハッキリしているから好き2021/12/05
-
- 電子書籍
- 基礎電気回路(2) 大学講義シリーズ




