感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
木曽のあばら屋
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父親が、娘のあんなこともこんなことも書いちゃったぞという迷惑作品としておそらくは獅子文六「娘と私」と双璧。私小説作家を家族に持つと大変ですね。 大病をして療養中の小説家、しっかり者の妻、3人の子供たちのなにげない日常(著者の生活そのまんま)。しかし日常を描きながら退屈でなく辛気臭くもなく、面白く読ませるのは至難の業。小さな出来事に人生の意味を見出すその文章は、簡潔軽妙でしかも深いです。のどかな昭和の気分も懐かしい。長女の結婚が決まり、末っ子の圭子が高校受験に本腰を入れるところで明るく終わります。2016/07/31




