感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てれまこし
8
ロマン主義者の「無限なるものにたいする憧れ」というのは閉じられた体系への恐れの裏返しでもある。世界を分割することによって対立を解決しようとする合理主義にたいして、矛盾や逆説をも包みこむような「全体」を直観によって把握しようとする。イロニーは閉じられようとする体系をこじ開ける手段として重宝される。C・シュミットが批判したのも、退屈しないため避けられない判断を避け続けるドイツ知識人のロマン主義的傾向で、奇妙なことにこれがワイマール共和国の優柔不断さと結びつけられた。リベラルはどこかでロマン主義と交わったらしい2020/06/24