出版社内容情報
混迷の一九三〇年代、外相・首相として中国との関係修復を模索した広田。だが、戦争は泥沼へ。同情論が多い政治家・広田の実像に迫る
内容説明
日露戦争後、職業外交官の道を歩み始め、欧米局長・駐ソ大使など要職を歴任した広田弘毅。満州事変以降、混迷を深める一九三〇年代の日本で、外相・首相として、欧米との協調、中国との「提携」を模索する。しかし、二・二六事件以降、高圧的な陸軍と妥協を重ね、また国民に広がる対中国強硬論に流され、泥沼の戦争への道を開いた。東京裁判で唯一文官として死刑に処せられ、同情論が多い政治家・広田の実像に迫る。
目次
序章 二つの顔
第1章 青年期―福岡から霞ヶ関へ
第2章 中国と欧米の間―北京・ワシントン・モスクワ
第3章 外相就任と協和外交―対中国政策の理想と迷走
第4章 首相の一〇ヵ月半―陸軍との葛藤
第5章 「国民政府を対手とせず」―日中戦争初期の外相
第6章 帝国日本の瓦解―一重臣として
第7章 東京裁判―「積極的な追随者」の烙印
終章 訣別
著者等紹介
服部龍二[ハットリリュウジ]
1968(昭和43)年東京都生まれ。92年京都大学法学部卒業。97年神戸大学大学院法学研究科単位修得退学。博士(政治学)。拓殖大学政経学部助教授などを経て、中央大学総合政策学部准教授。日本外交史・東アジア国際政治史専攻。著書に『東アジア国際環境の変動と日本外交 1918‐1931』(有斐閣、2001年、平成13年度吉田茂賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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