感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
傘緑
34
「会社員のぼくは、二十代最後の年に過労で倒れました。両手の親指と人差し指を曲げられない症状が残り…不安の中で毎晩、悪い夢を見ました…悔しくて、くにゃくにゃの指の間にペンを挟みこみ、夢の世界を漫画で描くことにしました」そんな著者の夢のスナップショット。アウトサイダーアートやアール・ブリュットなどの観客用に”濾過”をされていない生の芸術の持つ、眩暈を催す居心地の悪さ、日常に不安を搔き立てる不気味さ。そういったえぐ味を、口当たりの好いようにちょっと薄めて提供する作品。一般向けに淡くなった石田徹也という感じかな?2017/09/23
内島菫
14
何となく怖い夢が多いのだけれど、中でも女性が出てくる夢(小さな女の子も含む)の切れ味のいい怖さが印象的だった。夢独特のひねくれ加減や突飛さの残り香を良く伝えていると思う。2016/05/03
橘
12
妹が貸してくれました。夢ならではの不条理さが面白かったです。ひとつの夢が二ページなので、さらさらと読みやすかったです。2014/05/10
眠る山猫屋
5
残酷過ぎず、切な過ぎず。物足りないと言えば物足りないけれど、その“淡さ”具合が魅力的。作者が語るように、他人の夢の話は退屈なものかもしれない。けれど料理の仕方次第で不思議な味わいになるものなのだな、と思わされた。造り過ぎないところが、さらに良かった。2014/06/19
三丁目の書生
3
私は夢は見ないし覚えていない。 しかし例外的に、夜中にトイレに起きる前にはトイレを探す夢を見て覚えていることが多い。 私も「こんなトイレの夢を見た」というのを描こうか。 と思えば私はマンガどころか絵が全然描けないのだった。 まるっきり駄目だ。 人生を楽しくクリエイティブに生きるためには夢を見る能力と絵を描く能力が必要だ。 (私は文庫版で読んだのですが単行本版はカラーらしい) https://sfclub.seesaa.net/article/484037816.html2021/10/24