扶桑社ミステリー
エンジェルズ・フライト〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 340p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784594050979
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

ハワード・エライアス殺害犯を追うボッシュは、事件の背後に過去の少女誘拐殺人が深く関わっていることを知る。自動車販売王サム・キンケイドの継娘を死に至らしめたのはいったい誰なのか。事件を再捜査するなかで浮かび上がる、悪夢のような真相。警察上層部との衝突、迫り来る暴動の不穏な気配…ボッシュは、錯綜する事件を果たして解決に導くことができるか。90年代に生みだされた警察小説の頂点に君臨するコナリーの真骨頂がここに!単行本『堕天使は地獄へ飛ぶ』改題。

著者等紹介

コナリー,マイクル[コナリー,マイクル][Connelly,Michael]
1956年生まれ。フロリダ大学卒業。ロサンジェルス・タイムズ紙で十年以上記者として活躍し、ピュリッツァー賞の最終選考まで残った経歴を持つ。1993年、処女作の『ナイトホークス』でMWA賞の新人賞を受賞。その後も、“ボッシュ”シリーズを中心に、アメリカの暗部を描く社会性と、抜群のリーダビリティを併せ持つ傑作ミステリーを精力的に発表している

古沢嘉通[フルサワヨシミチ]
1958年生まれ。大阪外国語大学デンマーク語科卒。マイクル・コナリー邦訳作品の大半を翻訳している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tetchy

132
世紀末を迎えたアメリカの政情不安定な世相を切り取った見事な作品だ。ロス暴動の残り火が燻ぶるLAの人々の心に沈殿している人種問題の根深さ、小児への性虐待にWEBの奥底で繰り広げられている卑しき小児ポルノ好事家たちの闇サイトと、まさに世紀末。LAにあるケーブルカー「エンジェルズ・フライト」、即ち「天使の羽ばたき」。しかし天使の喪われた町での羽ばたきは天に昇るそれではなく、地に墜ちていく堕天使のそれ。世紀末のLAは救済が喪われたいくつもの天使が墜ちていった街。そんな風にLAを描いたコナリーの叫びが実に痛々しい。2018/04/29

財布にジャック

66
二つの事件が見事に絡み合って、急展開を見せた下巻でしたが、闇、闇、闇だらけで、なんとも苦過ぎる読後感です。アメリカの闇が鋭く描かれていてある意味問題作なのではないかと思います。又、せめてプライベートくらい救いがあっても良さげなのに、その点でもコナリーさんは非情でした。登場人物がどんどん舞台から去っていくので、ボッシュの孤独をひしひしと感じて、読んでいるこちらまで孤独が伝染してしまうような気がしました。心が凍えてしまいそうです。2012/11/03

キムチ27

63
事件の真相はカクなるものか・・と嘆息のラスト.決してトリーッキーでもない伏線回収で、さすがマイクルだとも感じた。TV化された作品を見ているとどうしても映像から脳に入ることもあり、人物の表情に惑わされやすく、真相がぐらつくが、其処は文字。ますます原作を読むことの重さを噛みしめた。16年前の執筆当時に比しネット上の小児性愛問題は複雑巧妙化している・・思うだけで背筋が冷える。原題「堕天使は~」が持つ二重三重の意がずっしり・・読了後もそう思ったが解説を読んで更にすとんと来る。エンジェル/フライト/・・してボッシュ2022/02/21

bianca

60
これはボッシュの魅力がギュギュっと詰まった作品ではなかろうか。上司のアーヴィングはフィクサーであり、今回は個人より組織・社会優先でボッシュと対立。逆境の中、ターゲットは運だけでは逃れられず、的確に罰が下ってスッキリ。ただのカッコいいボッシュで終わらないのが良いな~。SM女王様に電話するとか、二本指で(今どき)タイプライター打つとか、禁煙してたのに自棄になってタバコふかすとか、全くツレないエレノアに恐る恐る気遣いしながら話すとか。なんやかんやで、一匹コヨーテでもなく、皆からの信望も厚いボッシュ。安心した。2016/12/28

KAZOO

54
後半はかなりスピード感がる展開でした。それにしてもこの主人公は大変ですね。それでも一つの事件は解決するものの本来的な事件の解決(今回はすっきりとした解決とは言えないのでしょうが)が、あと味の良くない決着になりました。本当は副本部長と対決していきたいのでしょうが。まだまだ続きそうですね。結果はあまりよくないのですが、自分にとってはあと味をひく作品集です。2015/03/04

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