出版社内容情報
パリ、NY、中南米、東アジア、そして日本――。20世紀、地球を3周した男が見たもの、描いたものとは? 没後50年記念刊行。
林 洋子[ハヤシ ヨウコ]
監修
内容説明
パリ、NY、中南米、アジア、そして日本―。10の場所×時代でたどる傑作。油彩・水彩など約80点を収載!
目次
東京・1886‐1913生まれは牛込・大曲
パリ・1913‐1920モノクロームの「パリ周縁」と城壁
パリ・1921‐1926モンパルナスの乳白色の裸婦たち
パリ・1927‐1930壁画の中の日本
中南米・1930‐1933色彩と非西洋との出会い
日本・1933‐1938東北から沖縄まで、母国再発見の旅
極東アジア・1938‐1949戦地に赴く、戦争を描く
ニューヨーク・1949‐1950みじかくも、実り多き滞在
パリ・1950‐1961郷愁の街と子どもたち
ヴィリエ=ル=バクルとランス・1961‐1968手しごとの家と祈りの空間
著者等紹介
林洋子[ハヤシヨウコ]
美術史家。文化庁芸術文化調査官。1965年、京都市生れ。東京大学大学院修士課程修了。パリ第一大学文学博士。東京都現代美術館学芸員、京都造形芸術大学准教授を経て現職。おもな著書に『藤田嗣治 作品をひらく―旅・手仕事・日本』(名古屋大学出版会/サントリー学芸賞、渋沢・クローデル賞ルイ・ヴィトンジャパン特別賞ほか受賞、集英社新書ヴィジュアル版)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆのん
43
絵はもちろん素敵だけど、その作品に負けない位素敵で奇抜で自由で不自由な藤田…。彼でなければ描けない。1102019/04/06
かおりんご
31
藤田嗣治のざっくりとした略歴と作品を楽しめる。作品の掲載は少ないけれど、いろんな観点でかかれたものをみられるからいい。展覧会風の流れ。2019/01/07
gtn
7
藤田が「画壇の戦犯」と非難されたのはなぜだろう。確かに藤田は従軍し「作戦記録画」を描き続けたが、「アッツ島玉砕」や「サイパン島同胞臣節を全うす」等、日本兵の玉砕シーンや邦人の自決の場面である。しかも、戦後ではなく、戦中リアルタイムに仕上げた作品である。その作品群はいずれもむごたらしく、戦争の愚かさを語って余りある。その勇気のどこが戦犯か。2019/01/08
月と星
4
★★★やはりフランスで描いた絵が好き。「フランスの富」がかわいい。2018/12/19
Koki Miyachi
3
藤田嗣治は、実に切り口が豊富な画家、芸術家である。本書は、生涯世界を旅して絵を描いてきた藤田を旅という切り口でまとめた本。知っている絵や写真であっても、人生の旅遍歴という切り口で見ると全く違った見え方をするから面白い。こんなに多彩で深みがある生き方をしてきた人物は、多くないのではないか。また新しい藤田に会えた気がした。2024/09/16