内容説明
日本との戦争、そして国民党との内戦・建国期を通じ、「毛沢東の共産党」に導かれた中国人は、ある時は希望に燃え、ある時は大いなる苦難に涙した。しかし、歴史の証人は彼らだけではない。留学生と結婚した著者は、「中国人」となって大陸へ渡り、戦争と革命の中国を、「日本人」の目で、しかも共産党員として「内部」から、つぶさに眺めつづけた。圧倒的な迫力で、家族への愛、生きるための闘い、中国人の真の姿を描いた、ほかに例のない自伝である。
目次
“敵国人”との結婚
戦火の中国へ
北京脱出、解放区へ
死線、子どもとの別れ
八路軍見習い軍医の日々
身重の南下行軍
共産党の勝利、希望の時代
天津で見た毛沢東の「過ちの始まり」
災いはわが身にも
嵐の文化大革命
夫の名誉回復を策す
二度の天安門事件をこえて