内容説明
古代日本には、今とは違うさまざまなエロい風俗習慣があった。その習慣は、現代人から見るとエロさに驚くようなものもあるが、実は日本文学の底流に潜み、今も私たちの生活や感覚につながっているものも少なくない。『万葉集』はその貴重な資料の宝庫でもある。ナンパ、BL、人妻…『万葉集』がこんなにエロ面白かったなんて!
目次
はじめに 日本の国柄はエロにある
第1部 異常に多いエロ歌、恋歌
第2部 万葉時代にも恋の制約
第3部 今と変わらぬ恋心
第4部 今と昔を結ぶ糸
あとがき 『万葉集』のにおい
著者等紹介
大塚ひかり[オオツカヒカリ]
1961(昭和36)年横浜市生れ。古典エッセイスト。早稲田大学第一文学部日本史学専攻。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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keith
24
万葉集をエロく翻訳してイジってます。古代は今と比べて性もフリーだったようです。万葉集なんて大体が好きよ、逢いたい、待ってるわ、なんて夜のお店でおネーチャンがよく言うような歌が多いですからね。それでも万葉集に興味を持つとっかかりになりそうです。2020/02/24
ステビア
17
歌の現代語訳がわかりやすくてよかった(小並感)2020/12/13
loanmeadime
13
”ゆるやかに着てひとと逢ふ蛍の夜”、という桂信子の句にドキッとしたことがありますが、万葉人はゆるやかどころではなく、”人の見る 上は結びて 人の見ぬ 下紐開けて 恋ふる日そ 多き”、と著者の訳ではパンツ脱いで待っている、となるそうで、母系社会のおおらかさが万葉集には満載だそうです。永井路子さんとか恋愛を中心にした著作は二三読んだことがありますが、セックスを中心にした万葉集の話は初めてで、とても面白かったです。源氏物語と対比させているのも興味深かった。2020/04/27
吉野ヶ里
12
下品な本を読もうと思って手に取ったら、しっかりした研究者のちゃんとした万葉集入門だった。読み終わったら捨てる予定だったが、面白かったため本棚に移行。上代日本の性道徳の寛容さは、女系的社会であったこと(財産が母から娘に継承されていくこと)が原因であるという考察や、万葉集を中心とした関連書の結びつきなど、古文への導入として参考になる上、語り口が適度に軽妙で読んでいて堅苦しくない。とりあえず、『催馬楽』と『万葉集』買ってこようと思いました。2020/06/19
*+:。.もも.。:+*
12
でっかくタイトルが書かれているが「万葉集」だからっ!確かにいたいけな中学生の頃は「こんなに色っぽい内容を授業でやってもいいの?」なんて思ったもんだが。母系制説やBL説など説得力があって面白い。2019/10/21