出版社内容情報
「人間、やっぱり容姿」「長生きなんてするもんじゃない」兼好の自意識と毒がにじみだす。教科書で習った名作を大胆にお色直し
「人間、やっぱり容姿でしょう」「男が持つべきでないもの、それは妻」「過去の逢瀬をしのぶ時間っていうのが恋の真髄じゃない?」日本人なら誰もが一度は教科書で学んだ古典的名作『徒然草』は、兼好法師の毒舌と自意識にまみれたエッセイだった!?――同業者の視点で、酒井順子が大胆解釈。平成の世にも通じる本音の数々に思わず笑って頷ける、清少納言との(仮想)対談も収録。
内容説明
日本人なら誰もが一度は教科書で学んだ古典的名作『徒然草』は、兼好法師の毒舌と自意識にまみれたエッセイだった!?―同業者の視点で、酒井順子が大胆解釈。平成の世にも通じる本音の数々に思わず笑って頷ける、清少納言との「仮想対談」も収録。
目次
「あらまほし」
女
「愚か」
友達
「わびし」
老い
「あはれ」
いにしえ
「くちをし」
子供
「心にくし」
物
「あいなし」
自慢
「はかなし」
身の程
「をかし」
仏教
「つれづれ」
徒然旅(京都編;神奈川編)
著者等紹介
酒井順子[サカイジュンコ]
1966(昭和41)年東京生れ。立教大学社会学部観光学科卒。エッセイスト。高校在学中に泉麻人氏に見込まれ、雑誌に連載を持つ。大学、3年間の会社員時代も、複数の連載をこなし、円満退職後、ついに本職に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あきぽん
76
かなり昔に枕草子REMIXを読んでいたのですが、こっちは未読だったのでこの度読みました。昔学校で習った時は気難しいおじさんだなあと思ったけど、自分が年を重ねた今はこんなおっさんいるいると頷きました。時代背景を外せば。私はもう古文を忘れてしまったけど、古文が読めたら昔の人がより身近に感じられて楽しいだろうな。2020/02/25
あん
74
酒井順子さんの古典の大胆解釈は、読み物としてとっても面白いです。徒然草って吉田兼好の自慢話に聞こえないように書いた自慢話が多かったんですね。原文をよく知らなかったので、そうだったんだ~と腑に落ちました。章と章の合間にある、清少納言と吉田兼好の仮想対談がまたいい。生きた時代の違う随筆家同士の対談が実現したら、本当にこんな感じだったのかもしれませんね。枕草子RIMIXも読んでみたいです。 2015/01/24
Maybe 8lue
50
吉田兼好の肩書きに「歌人・随筆家」という事に対して文部科学省が「職業的に随筆を書いてたようでおかしい」と指摘し随筆家を外したというのを読みながら「だったら石原慎太郎の作家という肩書きも外せよ」と思った事でした。徒然事件簿が何気に面白かったです。2015/02/08
優希
49
エッセイストの立場で読み解く徒然草。入門として気楽に読めると思いました。2022/01/24
活字スキー
29
地位もそこそこ、アタマもまーまーイイ方なのに時流には巧く乗れなかった鎌倉時代の残念系文化人のエッセイを、現代のエッセイストが親しみ易く解説してくれる良書。正直、面倒臭いインテリであり、「いちいちそこまでぶっちゃけんでもエエやろ吉田ァ!何しとんねんヒーハー!」とツッこみたくなること数多。でも嫌いになれない……と言うかそんな兼好さんがあやしうこそ萌えキュンなりけれ。巻末には縁の観光地案内もついてるのでお得。古文に苦手意識のある学生さんは、このあたりから軽~く攻めてみるのもイイかもね。2015/01/21