新潮文庫<br> 軍艦長門の生涯 〈中〉

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新潮文庫
軍艦長門の生涯 〈中〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 428p
  • 商品コード 9784101110080
  • NDC分類 916

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のっち♬

109
海軍は英国伝統の甚だしい階級差があり、情勢逼迫に伴い凶暴なクラスが出現する。五・一五事件主犯が同期揃いなのもこの下地があるようだ。乱れる海軍は暴走する陸軍の統制下に置かれ、抵抗も虚しく三国同盟と軍国主義へ傾く。しかし、軍艦は対米も対空も想定して建造されていない。海軍から見た大艦巨砲主義や開戦は至極無謀で、対米戦争は一年半が限界という計算から真珠湾攻撃と戦争回避の狭間で葛藤する山本が焦点。一丁前に扱かれる皇族や突然外交官に教育される士官といった逸話から「新高山登レ」を巡る日米の暗号事情解説まで話題が幅広い。2023/03/29

NICK

7
五・一五事件、二・二六事件から満州事変、そして太平洋戦争前夜まで。五・一五事件、二・二六事件はともに軍縮条約や統帥権干犯問題といった出来事がきっかけで噴出したナショナリズムの悪しき発露であるように見えた。二・二六事件の参加者が統帥権干犯を糾弾しておきながら「統帥権干犯とは何か」という質問に答えられなかったのは、日本人政治への態度の典型といった感じで、現代にも通じるような気がする。一方で長門は大改装を経ながら演習において航空機に全く敵わず、すでに戦艦斜陽の時代の訪れを感じさせる。2014/05/27

kiiseegen

3
再読。2023/12/31

零水亭

3
「艦これ」の重巡高雄の「馬鹿メと言って差し上げますわ」の出典も出て来ます。2019/07/11

トラッキー

2
だんだんと日本が窮屈になってくる昭和6年から開戦までの時期。海軍は巷とは別世界で、言論も研究も休む時の遊びも自由闊達、それでいてやるべき時にはきっちりやる規律のある組織であったことが、軍人や家族、関係者の日常生活を通じて描かれている。しかし海軍の大多数の意思に反して、徐々に日本は勝ち目のない日米開戦へと引き摺り込まれていく。図上演習を何度繰り返しても負けと出る戦いに、命令が下れば出て行かざるを得ない海軍首脳の心中はどんなだったか。それでもまだ開戦2年前には、戦争は避けられるのではとの希望があった。2019/04/07

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