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内容説明
『―黄昏予報の時間です。本日午後の黄昏濃度は約80パーセント、非常に濃くなる見通しです。発作的な自殺には注意しましょう』全天を覆う茜色の空。“黄昏”はヒトの弱い心に入り込み、支配し、死に至らしめる病の元凶。世界は生きる気力を失った人々で溢れていた。その“黄昏”を浄化し、青い空を生み出す少女“黄昏の君”。フリーエージェントのカラスは、その奪取を請け負い、二人で短い旅を続けることになる。“黄昏”に冒された人々との出会いと別れを繰り返しながら…。第4回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞作。
著者等紹介
本岡冬成[モトオカトウセイ]
広島県三原市出身。『黄昏世界の絶対逃走』で、第4回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめありす@灯れ松明の火
13
「黄昏」に浸食された人は心を壊し、冷たい死を誘う。その黄昏から人々を守る兵器である少女と便利屋の少年のロードノベル。黄昏は夕方だけではなく、はじまりの朝にさえあって、常に黄昏は両方から迫ってきている。だから、逃げる。己の身の内からあふれ出る不安と、荒廃した世界の終わり。二つの不安から絶対に逃げなくては。けれど、黄昏が人を殺すわけじゃない。理由はいつも自分の胸にあって、それを乗り越えて美しい夜空や青空を眺めるのは、自分の力なのだ。そして、世界に向けて誰かが呼びかける。あなたは、みんなは独りじゃないと。2011/09/20
アキラ@アニメと積読本を消化したい
10
中の下。うーん、面白いかと訊かれれば、あまり面白いとは言えないかな。ただまぁ、物語から漂う絶望的で荒廃気味な暗い雰囲気は割と良かったし、イラストも良い感じなので、この評価に。過去の大規模戦争でばら撒かれた《黄昏》と言う名の『毒』が、人々の心を汚染し死に追いやる、という世界観はなかなかに良いとは思うんだけど、展開がイマイチかなぁ。何と言うか、物語に起伏が無い感じがする。正直、第六章からの失速具合が酷い。あと、主人公カラスとメアリ以外のキャラが、出番が少なく極端に薄い。個人的に、第五章の扉絵が割とお気に入り。2015/07/10
KEI
7
購入。主人公・カラスに馴染めず、三章まで辛かった。四章では彼の過去が語られ、彼の繕った性格が剥がれ感情の一端が垣間見られてから入り込みやすくなった。カラスとメアリの、戯曲めいた上っ面で上滑りした実の無い会話のやりとりに紛れ、大事な部分が非常に掴みにくい。過去を忘れた少年と過去を奪われた少女の、文字通り「終わりの前」の逃走劇。2010/05/20
椎名
6
面白かった。世界観、設定、雰囲気勝ちといった感じで、好きな人はそれだけで好きな作品。また黄昏予報の定型文、あなたの周りにはみんながいます、みんなの周りにはあなたがいます、という通り、二人でいても一人と一人なのだという人間観が良かった。「言葉にできることなんてほんの一握りだけだ、してみたところで自分をがっかりさせるだけだ」この辺りのカラスとメアリの会話が印象的。綺麗な世界でした。2015/08/16
暗夜海
4
終末世界物は好きだ。その退廃的でノスタルジーに囚われる様な感覚は読んでいて心地いい。が、本作はそうでもなかった。それは取りも直さず主人公であるカラスに物足りなさを感じてしまったから。カラスは便利屋として振る舞っているがどうしても幼さを感じてしまう。それは年齢なのかそれとも容姿なのか。両方かもしれない。食えないカラスではあるがどうしても背伸びしている感が拭い切れないのだ。できる事ならもっと年齢高めな、そしてもっと渋いおっさんな主人公で居てほしかった。或いはいっそのこと子供でもよかったが。どっちつかずな印象。2014/08/21
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