出版社内容情報
戦時下にタイムスリップしてしまった家族
東京近郊に住む平凡な家族は、ある朝、戦時中(昭和19年)の日本にタイムスリップしていた――信じられないようなSF的設定で始まる問題作。家族が投げ込まれた世界は、戦時下の「食糧不足」「言論統制」「強制疎開」「大空襲」の時代だった。憎むべき〈戦争〉の時代に、〈飽食した〉現代人はどう立ち向かうのか。太平洋戦争末期、敗戦へと向かう日本を鮮烈に描きながら、驚くべき結末が待ちうける戦慄の寓話。
解説、奥田英朗
1)朝の散歩 2)災難 3)旧友再会 4)逃走まで 5)適応と反撥 6)キーキーキー
7)日本臣民として 8)決意 9)九日までの行動 10)反乱と空襲 終章)終りに見た街
内容説明
ある朝、目覚めると家の周りの住宅地は消え、深い森に変貌していた―突然、太平洋戦争末期(昭和十九年)の日本にタイムスリップしてしまった家族。信じられないようなSF的設定で始まる問題作。家族が投げ込まれたのは、「飢餓」「言論統制」「大空襲」という悪夢のような世界だった。しかも“われわれだけは、東京でどこが空襲にあったかも、一年二ヶ月後の敗戦という歴史も、知っている”のだ。憎むべき時代を“飽食した”現代の家族は生き抜くことができるのか。敗戦へと向かう日本を鮮烈に描きながら、驚くべき結末が待ち受ける戦慄の反戦小説。
著者等紹介
山田太一[ヤマダタイチ]
1934年東京生まれ。大学卒業後、松竹入社、助監督を務める。その後独立し、数々のTVドラマの脚本を執筆。八八年長篇小説『異人たちとの夏』で山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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