白土三平伝―カムイ伝の真実

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  • サイズ B6判/ページ数 228p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093881937
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0095

出版社内容情報

白土三平が生涯をかけてカムイ伝を書く理由

コミック界の巨人・白土三平の本格評伝。いままでほとんど伝えられることのなかった白土三平の真の素顔に迫ったノンフィクションでもある。白土三平はファシズムと闘う左翼画家・岡本唐貴の子として生まれ、軍国教育のもとで多感な思春期を過ごし、疎開先で「アカの子」としての差別と飢えの苦しみを体験する。その中で紡いだ、「画家になりたい」という志を戦後の混乱期の中でも一貫して持ち続け、紙芝居作家から貸本漫画家、そしてコミック作家として独り立ちしていく。『忍者武芸帳』の大ヒットで世を騒がし、『サスケ』『カムイ』と時代性に満ちた斬新なキャラクターを次々に生み出し、自由な表現をもとめて月刊漫画誌『ガロ』を創刊。やがて、売れっ子漫画家として驚異的な生産力を発揮する中で体を病み、房総の小さな漁師町に沈潜する沈黙の時代を経て、カムイ伝第二部で、再び世に出ます。
この本は白土三平という稀代のコミック作家の創作の秘密、その暮らしぶり、思想の原点にまで踏み込んで描ききった、毛利甚八氏入魂の著書です。

【編集担当からのおすすめ情報】
この企画は、15年あまりにわたって白土三平に寄り添いながらその仕事ぶりに直に触れてきたノンフィクション作家でコミック原作者でもある毛利甚八氏の手による白土三平の評伝です。その作品を高く評価されながら、長い間マスコミにまったく登場しない「謎の漫画家」として、ある種伝説を持って語られてきた白土三平の肉声がふんだんにちりばめられた貴重な記録でもあります。『カムイ伝』という物語の全体はあまりにも長く、第二次安保闘争から石油ショック、円高不況、バブル期をまたがって描き継がれたために、『カムイ伝』全部を読み通して価値をはかることのできる読者そのものが少なくなっている中、そのサブテキストの必要性は増しています。事実、2008年秋に刊行された田中優子・著『カムイ伝講義』は、超ロングセラーを続けています。カムイ伝をあるいは白土三平を読み解く際の解説書して、この本は大変に貴重なものだと考えています。カムイ伝をいまいちど読んでみよう、あるいはこれから読もうと考えている人に、ぜひ手にとって欲しい本に仕上がっています。

内容説明

「謎」のマンガ家・白土三平79歳の素顔。

目次

第1章 白土三平の幼年時代 ファシズムと闘う父に育てられて
第2章 白土三平の少年時代 長野疎開と軍国教育のなかで
第3章 白土三平の紙芝居時代 焼け跡の左翼少年
第4章 白土三平の貸本マンガ時代 マンガ家としての開花
第5章 白土三平の「月刊漫画ガロ」時代 自由を求める航海
第6章 白土三平の千葉・内房時代 外伝とカムイ伝、その第二部を読み解く
第7章 白土三平の現在 カムイ伝の生まれる海辺

著者等紹介

毛利甚八[モウリジンパチ]
1958年長崎県佐世保市生まれ。日大芸術学部文芸学科を卒業後、「スポーツグラフィックナンバー」「ビーパル」などのライターとして活動。1987年よりマンガ『家栽の人』(画・魚戸おさむビッグコミックオリジナル)の原作を担当する。1995年より1998年にかけて民俗学者・宮本常一の足跡を追う旅を行い、『宮本常一を歩く』(写真と文。小学館刊)を上梓。2001年より大分県に住まいを移し、地元の少年院で月に一回ウクレレを教えている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

TakaUP48

57
明治生まれの父・唐貴は、終戦までアカの絵描きとして特高警察に監視され、拷問で脊椎カリエスとなり兄弟で家計を支える。父の影響で、大坂、長野、東京を転々とし、中3で中退。山川惣治の紙芝居の彩色等の手伝いをして紙芝居作者に。貸本ブームから漫画を描き始め「忍者武芸帳」が当たる。そして、あの懐かしい青林堂『ガロ』を創刊し、「カムイ伝」が始まり、既成枠からの脱皮や反体制というイメージが、学生だった自分にも強く感じ、印象的な作家。本書には、晩年の白土三平の生活も出てきて、発見や驚きがみつかり楽しめた。白土兄弟に合掌!2021/11/07

GO-FEET

7
作品はとても饒舌でありながら、ご本人は寡黙な印象が強い〈白土三平〉の肉声が聞けるとは、なんともありがたいことであります。2020/02/24

akane

6
図書館で偶然見つけ衝動的に借りた。プロレタリア画家の父を持ち、長大な大作「カムイ伝」等の下地にはバルザックやショーロホフを初めとするロシア文学があることに大いに合点がいった。著者も強調したいのか、何度もその点を繰り返している。また私には 「マスコミ嫌いで自然と共に生きる孤高の漫画家」 という先入観があったが、全くその像からぶれることなく「さもありなん」 と納得づくしの内容で、改めて劇画自体から白土氏の人生がいかににじみ出ているかに驚かされた。また 『家栽の人』 の原作者が著者というのも嬉しい驚きだった。2014/07/01

Hiroki Nishizumi

6
面白かった。読みはじめていきなりデジャヴにおそわれたが、ビックコミックなどに連載されていた記事が元ネタのようだった。文中「カムイ伝」を若者が読む方法論を提唱しているが、漫画ですら方法論を必要とする現実はちょっと悲しいものがあるな…2013/10/02

yyrn

6
生きることが楽しいことではなくつらく苦しいことだ、しかしそれでも生きるんだと主張する白土のマンガは如何にして生まれたか。白土の生い立ちを辿りながらその作風を解説していく。なるほどと深く頷くところが多かった。貧しさの中から自分の生きる道を切り開いて行ったところは野村克也元監督と同じだが、白土の貧しさはその数段上を行く。しかも農山漁村での厳しい体験がすべて白土マンガに結実しているところが凄い。 2013/04/28

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