わたしのペンは鳥の翼

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わたしのペンは鳥の翼

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  • サイズ 46判/ページ数 256p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784093567428
  • NDC分類 929.93
  • Cコード C0097

出版社内容情報

アフガンの女性作家たちによる23の短篇集

書くことがこんなにも強靭な抵抗になるなんて。
この炎のような短篇集を読み、語り合うことで、彼女たちの命懸けの戦いにくわわろう。――柚木麻子

早急に、世界に届けられなければならない声がある。
そしてその声は、物語の力を借りて、何より強いものとなる。――西加奈子

どんなに過酷な現実が目の前にあっても私たちは描く。
ペンを持っている間だけ心は自由に空を飛べるから。――窪美澄

抑圧・蹂躙され口を塞がれた女性たちがペンを執り、鳥の翼のように自由に紡ぎ出した言葉の数々。女性嫌悪、家父長制、暴力、貧困、テロ、戦争、死。一日一日を生き抜くことに精一杯の彼女たちが、身の危険に晒されても表現したかった自分たちの居る残酷な世界と胸のなかで羽ばたく美しい世界。
アフガニスタンの女性作家18人が紡ぎ出す、心揺さぶる23の短篇集。



【編集担当からのおすすめ情報】
本書は、2022年2月に英国で刊行されたアフガニスタンの女性作家18名による23の短篇集の邦訳版です。紛争地域の作家育成プロジェクト〈UNTOLD〉による企画編集で、3年前からイギリスとアフガニスタンでやりとりをしながら、「小説を描きたい」という女性たちを広く募り、一冊へとまとめ上げました。アフガニスタンでは2021年夏にタリバンが政権を奪還し、女性への抑圧も急激に強くなりました。女生徒たちは教育の機会を奪われたまま、女性は全身を覆うブルカの着用を義務づけられ、単独での遠出を禁じられるという、21世紀とは思えない状況が続いています。そのような中で、本書の著者のうち数名は、身の安全のため国外への避難を余儀なくされています。
ここに集められた短篇は、死や暴力、激しい女性憎悪や差別と隣り合わせの重い日常を描いたものも少なくありません。また日本に暮らす私たちとは価値観も異なり、簡単には理解出来ないこともあります。
それでも、想像を絶する過酷な毎日を強いられる彼女たちが紡ぎ出す言葉には、誰もが激しく胸を揺さぶられるのではないでしょうか。時には本を閉じたくなることもあるかもしれません。それでも、自分たちの日常とかけ離れた世界が描かれているからこそ、一人でも多くに読んでほしい、知ってほしい一冊です。

内容説明

口を塞がれた女性たちがペンを執り、鳥の翼のように自由に紡ぎ出した言葉の数々。女性嫌悪、家父長制、暴力、貧困、テロ、戦争、死。一日一日を生き抜くことに精一杯の彼女たちが、身の危険に晒されても表現したかった自分たちの居る残酷な世界と胸のなかで羽ばたく美しい世界。アフガニスタンの女性作家18名による23の短篇集。

目次

第1部(話し相手(マルヤム・マフジョーバ)
八番目の娘(フェレシュタ・ガニー) ほか)
第2部(わたしには翼がない(バートゥール・ハイダリー)
巡り合わせ(アーティファー・モザッファリー) ほか)
第3部(冬の黒い烏(マリー・バーミヤーニー)
銀の指輪(フェレシュタ・ガニー) ほか)
第4部(アジャ(ファーティマ・ハーヴァリー)
赤いブーツ(ナイーマ・ガニー) ほか)

著者等紹介

古屋美登里[フルヤミドリ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

72
アフガニスタンの女性作家達。タリバン政権下において抑圧対象とされる彼女たちの言葉は、異国で翻訳される事で直面している現実に対する言葉を得られる。名前を秘し、亡命、国内潜伏したとしても彼女達は語る事を止めない。戦争や暴力によって奪われる命、拘束や名誉によって引き裂かれた関係性、強制される結婚、女子である事や障害を持っている事で疎まれる生、女性が自活する術がない為に夫がいなくなると成り立たない生活、夢すらも残虐な婚家の為に叶わない。その中でも生活はある。そして連帯の重要性を説く「アジャ」や「花」が清々しい。2024/09/18

コットン

64
アフガニスタンの女性たちによるドキュメンタリータッチの本。国内での険しい状況や男性重視の社会で、それでも描きたい思いが溢れ出ている短編集。2024/06/06

Apple

54
誰にも声を届けることができず,溺れそうになっている人々の存在を感じました。下手に飾り立てた文章やストーリーはなく,どの作品も心に迫ってくるような生々しさがありました。「わたしの枕は一万一八七六kmを旅した」「エアコンをつけてくれませんか」が私は気に入りました。爆弾落下や自爆テロの恐怖が半ば日常化しているような世界観で,それがない平和をありがたく感じました。編者後記の「遠く離れた世界の文学にはわたしたち自身の見方をすっかり変えてしまう力がある」という言葉を実感しました。2023/04/08

愛玉子

51
ロケット弾が飛び交い、自爆テロも珍しくはない、そんな国。教育も外で働くことも禁じられ、男子を産むことを強要され、暴力を振るわれる、そんな女たちの住む国。共感が止まらない作品もあれば、怒りで読み続けることが困難な作品も(『夢のてっぺんから転がり落ちる』の絶望感…)。言葉の持つ力を信じた彼女たちの本が、日本語に訳されてここにある奇跡を思う。大気に満ちるミントとコリアンダー、娘のかわいらしい小さい手、魔法瓶の最後の一杯から立ち上る温かな湯気、パンの焼けるにおい。密やかに紡がれた物語は、その翼で国境を越えていく。2023/01/28

kan

44
23の短編に丁寧に閉じ込められた、アフガン女性の痛みや嘆きと自尊心や希望が翼となって日本にたどり着いた。米軍撤退直前の作品集で、現在は女子教育どころか美容院にも閉鎖命令を出す締め付けの中、出版までの道のりを思うと感慨深い。作品自体は粗いものも多いが、真実を切り取って伝える熱さを感じた。本がテーマの先日の授業で、中村哲医師のお名前を冠した図書館を自費で始めたアフガン女性の動画を扱ったが、女性は公共図書館に入れず、首都の女性図書館は閉鎖されたとのこと。読む、書くという行為の意味と意義を突きつける作品だった。2023/07/16

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