出版社内容情報
医療現場は倫理的問題にどう対応するべきか?病院倫理委員会の設置から審議方法まで、基礎から実務までカバーした実践的テキスト!
医療現場が倫理的問題に遭遇する局面が増えつつあるなか、各医療機関に病院倫理委員会を設置し、倫理問題に対応できる体制を確保することが急務とされている。委員会の運営に悩んでいる現場の医療従事者に向けて、倫理コンサルテーション、教育、院内指針の開発に際して委員会がどう働くべきかを具体的に示した関係者必携のテキスト。
[関連書] 赤林朗編 『入門・医療倫理Ⅰ・Ⅱ』 (勁草書房刊)
まえがき
第1章 イントロダクション:病院倫理委員会はどうあるべきか
クリス・ハックラー,D・ミカ・ヘスター(山本圭一郎訳)
1 病院内倫理:病院倫理委員会はなぜ生まれたか
2 病院倫理委員会はどんなことをしているのか
3 病院倫理委員会とはどんなものか
4 結 論
第2章 倫理学の「なぜ」「なに」
D・ミカ・ヘスター(山本圭一郎訳)
1 「倫理」の意味
2 倫理教育は有益か
3 倫理的反省
第3章 倫理学における推論
ナンシー・S・ジェッカー(山本圭一郎訳)
1 倫理は相対的か
2 倫理的相対主義の根底にある動機
3 倫理的相対主義への擁護論
4 倫理的推論の方法
5 結 論
第4章 倫理コンサルテーションと委員会
ウェイン・シェルトン,ディライフ・ジャナドッティア
(児玉聡訳)
1 倫理的衝突を伴う臨床ケース
2 倫理コンサルタントのバックグラウンドと専門的技能
3 一般的アプローチとケース分析法の必要性
4 紛争を解決する方法
5 倫理コンサルテーションを行うためのいくつかのモデル
6 結 論
第5章 臨床現場における責任: 臨床倫理コンサルテーション
におけるインフォームド・コンセントと参加
スチュアート・G・ファインダー,マーク・J・ブリトン
(山本圭一郎訳)
1 文脈設定:四つのシナリオ
2 臨床倫理コンサルテーションにインフォームド・
コンセントは必要か
3 参加の促進:参加は多ければ多いほどよいのか
4 結 論
第6章 臨床現場における文化的多様性
アリッサ・ハーウィッツ・スウォタ(会田薫子訳)
1 文化と文化的感受性
2 自律を理解する
3 真実告知
4 治療の事前計画と終末期医療
5 コミュニケーション戦略
第7章 宗教的な価値観と医療行為の決定
トビー・L・ショーンフェルド(高島和哉訳)
1 さまざまな価値:基礎的信念と信仰
2 誰がそうした議論を行うべきか?その理由は?
3 宗教的な諸価値は医療行為の決定と
どう折り合いがつくのか?
4 普通ではない要望とケアの拒否
5 結 論
第8章 終末期における倫理コンサルテーション:
医療行為の決定を導く理念,ルール,規範
リン・A・ジョンセン(高島和哉訳)
1 伝統的な諸前提
2 指導理念
3 媒介的な規範とルール
4 いくつかのさらに込み入った諸問題:
医療処置を差し控えることと,取り止めること
5 結 論
第9章 小児医療の倫理
トレイシー・K・クーグラー(横野恵訳)
1 最善の利益基準
2 親の治療拒否
3 年代ごとに固有の問題
4 新生児
5 子どもの発達とアセントの取得
6 ティーンエイジャー
7 結 論
第10章 病院倫理委員会の教育的役割
キャシー・キンロー(林芳紀訳)
1 あなたの組織に対する予備的な質問
2 病院倫理委員会の自己教育
3 病院倫理委員会の教育的役割を成り立たせる背景要因
4 関連性への気づき
5 倫理的な行動の複雑さ
6 既存の教育機会の活用
7 その他の倫理教育機会
8 説明責任と有効性
9 病院倫理委員会の教育的役割
第11章 病院倫理委員会とヒトを対象とする研究
ティモシー・F・マーフィー(林芳紀訳)
1 ヒトを対象とする研究の監視
2 病院倫理委員会・研究・革新的治療
3 結 論
第12章 病院医療における分配的正義
マイケル・ボイラン,リチャード・E・グラント
(林芳紀訳)
1 病院の現在
2 営利病院と非営利病院
3 環境を理解する
4 配給の問題
5 結 論
第13章 院内指針を率先して開発する
デイヴィド・T・オザール(林芳紀訳)
1 院内指針上の助言の三つのタイプ
2 三つの姿勢:受動,提言,任務
3 教育面での影響
4 組織倫理の学習
5 組織倫理委員会との関係
6 法令順守委員会
7 戦 略
第14章 病院倫理委員会の審議における法の取り扱い
ケネス・A・ドゥヴィル,グレゴリー・L・ハスラー
(横野恵訳)
1 創造に立ち会う
2 生命倫理および病院倫理委員会の審議に法が与える影響
3 病院倫理委員会における法の不可避的な重要性
4 法を称賛する?
5 法の危険性と限界
6 法と倫理の調整
7 法律家に関わる問題
8 結 論
第15章 倫理委員会のためのマネジメントガイド
ユージン・J・クッツ(横野恵訳)
1 集団としての委員会:目の前の業務に集中する
2 集団構成:指導者と構成員
3 集団発達
4 結 論
発展資料
監訳者解説(前田正一・児玉聡)
索 引
執筆者紹介/訳者紹介
内容説明
病院倫理委員会の設置・運営から具体的な審議方法まで、基礎から実務までをカバーした医療従事者向けの実践的テキスト。
目次
イントロダクション―病院倫理委員会はどうあるべきか
倫理学の「なぜ」「なに」
倫理学における推論
倫理コンサルテーションと委員会
臨床現場における責任―臨床倫理コンサルテーションにおけるインフォームド・コンセントと参加
臨床現場における文化的多様性
宗教的な価値観と医療行為の決定
終末期における倫理コンサルテーション―医療行為の決定を導く理念、ルール、規範
小児医療の倫理
病院倫理委員会の教育的役割
病院倫理委員会とヒトを対象とする研究
病院医療における分配的正義
院内指針を率先して開発する
病院倫理委員会の審議における法の取り扱い
倫理委員会のためのマネジメントガイド
著者等紹介
ヘスター,D.ミカ[ヘスター,D.ミカ][Hester,D.Micah]
学術博士。アーカンソー大学医療人文学および小児科学准教授であり、アーカンソー小児病院で臨床倫理学者を務める。学問的関心の中心は、専門家‐患者関係、終末期ケア、および移植に関する問題である。長きにわたって倫理教育に携わっており、医学生、レジデント、および指導医、看護師、ソーシャルワーカーその他の医療専門職のための学習コースの開発に時間を費やしてきた
前田正一[マエダショウイチ]
東京大学大学院医学系研究科。九州大学大学院医学系研究科博士課程修了
児玉聡[コダマサトシ]
東京大学大学院医学系研究科。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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