内容説明
本書は近年飛躍的発展を遂げてほとんどその面目を一新した場の量子論―特にゲージ場の量子論の解説書である。基本的なところから詳しく説明されているので、量子力学の初等的予備知識で十分理解できる内容となっている。
目次
Lorentz群の表現と場(Lorentz群;いろいろな場:Lorentz群の表現;Noetherの定理;スカラー場の作用積分;スピノール場の作用積分;U(1)ゲージ場:電磁場)
場の量子化(自由スカラー場の量子化;自由Dirac場の量子化;パリティ変換とWeyl場;時間反転不変性とCPT定理)
相互作用の一般的性質とS行列(スペクトル条件とスペクトル表示;漸近条件とS前列;LSZの簡約公式とHaag‐GLZ公式)
経路積分と摂動論(量子力学系と経路積分;場の理論における経路積分;摂動論;フェルミオン場の経路積分;有効作用と有効ポテンシャル;S行列生成汎関数と散乱断面積)
ゲージ場の量子論(局所ゲージ不変性;特異系の正準形式と量子化;ゲージ場の量子化:経路積分型式;BRS対称性;ゲージ場の正準量子化:共変な演算子型式;Ward‐高橋恒等式および自由場の量子化と漸近場;摂動論のFeynman則と簡単な計算;物理的S行列のユニタリー性I;物理的S行列のユニタリー性2:BRS代数と4重項機構;観測可能量;物理的S行列のゲージ固定非依存性)
付録(4次元記法、Diracスピノール;n=2k次元Lorentz群SO(1,n-1)のγ行列
Feynmanグラフの積分公式
行列・演算子に関する便利な公式)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こずえ
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邦書で場の理論を勉強するときの入門書としてすすめるならこれかなぁというかんじ。経路積分に関する説明が丁寧だった記憶
T.Numa
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1章は超対称性を学んだあとでないと難しく感じるかもしれない。5章が素晴らしくて、BRS変換を使ってゲージ場の一般的な性質が詳しく述べられている。1度入門的な場の理論の本を読んだあとに読むと良いでしょう。
ah
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かなり読み込み直した。特に3~5章は結構理解を深めたはず。それでも5章の最後の方は難しい。2巻へ続く。2012/03/20
ah
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すごく良い本だと思います。ふつうのQFTの本を一冊読んだ後に読むと非可換ゲージ理論の知識が深まる。参考文献も役に立つ。ローレンツ群の表現のところと拘束系のところ,それに終盤の九後先生の仕事のところは要再読。2011/12/12
T.Nishimura
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Gauge理論のBRST quantizationの説明が神がかっている。そのほかにも場の理論のbasicなことは網羅しているので日本語のQFTの本では最強。Peskinで計算ができるようになってよむといい。