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内容説明
それは、秋も近づいたある日―。探偵作家・平井骸惚宅に舞い込んだ一通の手紙。それは、絶縁状態の実家から、骸惚先生に帰郷を促す旨がしたためられた書状でありました。何やら訳ありの里帰りのため、骸惚先生は澄夫人を伴い帰郷、弟子の河上くんと平井家の二人の令嬢、涼嬢、撥子嬢は揃って留守を守ることに。そして、大正十二年九月一日。運命の日。後に関東大震災と呼ばれる、かつてない大災害が帝都を直撃。涼嬢と撥子嬢を連れ命からがら逃げ延びる河上くんでしたが、避難先で、腹部に包丁を突き立てられた他殺体が発見され…。異常な状況下、疑心暗鬼になり互いを疑う人々。これは、震災を利用した殺人事件?骸惚先生に託された大切な二人の令嬢を守るために、河上くんはこの事件の謎を探る決意を固めるのですが―。本格推理譚第四弾。
著者等紹介
田代裕彦[タシロヒロヒコ]
第三回富士見ヤングミステリー大賞「平井骸惚此中ニ有リ」で小説デビュー
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
プリムローズ
2
今シリーズの中で一番ミステリーとしてしっかりしていた巻。主人公がちゃんと探偵役していて、おお!となりました。ぼんやりさんだとか、鈍いなあと呆れていたけれど、あしながおじさんを原語で読んでいるし、実は賢いのかも。潑子ちゃんの報われない努力ぶりがものすごく可愛かったこともあるし、今までで一番好きな巻ですね。次が最後なのが寂しいです。2018/10/17
アツシカ
1
ついに四作目。今回は大正十二年九月一日、関東大震災の渦中で起こった殺人事件。当時の女性観や災害の只中という異常状況など、関東大震災でなければ成立しないロジックを使っているのが面白い。「L・O・V・E!」のおかげ(?)で必要以上に暗鬱としなかったのも好みに合っていた。口絵はネタバレじゃない?いいのこれ?2017/03/05
ソラ
1
【読メ登録以前読了作品】2008/04/02
wm_09
1
大正版『未明の悪夢』。恋愛要素がそこかしこで強調されてなんだか暢気だしロジックが前面に出るしで印象はかなり違うけど。解決は相変わらずシンプルすぎて物足りないが、まとまりの良さでは今のところシリーズ一番か。(稲)2010/03/13
永山祐介
1
川上君に初めて訪れる(少なくとも読者から見ては)淡い感情と、エピローグの苦さが実に良いなあ2005/06/13