出版社内容情報
名著「されどわれらが日々」に続く青春小説
1964年の第51回芥川賞受賞作で、当時、一大センセーションを巻き起こした『されど われらが日々――』。
その続編ともいえる本作では、その時代の新左翼運動にかかわった血気盛んな青年男女の機微を、ダンスパーティーの現金紛失事件とからめてミステリー仕立てで描いている。
登場人物がそれぞれの視点で世界を見つめ、それが一つに収斂されることなく多様性に開かれたまま放置されている点は、『されど われらが日々――』とは対称的な位置づけにある作品といえる。
柴田 翔[シバタ ショウ]
著・文・その他
内容説明
1964年の第51回芥川賞受賞作で、当時、一大センセーションを巻き起こした『されどわれらが日々―』。その続きともいえる本作では、その時代の新左翼運動にかかわった血気盛んな青年男女の機微を、ダンスパーティーの現金紛失事件とからめてミステリー仕立てで描いている。登場人物がそれぞれの視点で世界を見つめ、それが一つに収斂されることなく多様性に開かれたまま放置されている点は、『されどわれらが日々―』とは対称的な位置づけにある作品といえる。
著者等紹介
柴田翔[シバタショウ]
1935(昭和10)年1月19日‐。東京都出身。東京大学大学院独文科修士課程修了。『されどわれらが日々』で第51回芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おたま
29
何十年ぶりかでの再読。私の手元にあるのは、1973年の刊行なので、大学生の頃か。背景には「安保闘争」と思しき学生運動がある。そこで、空疎感を抱き、人生に諦めを抱いている者、そこから自分の確かな生を求めて生き始める者、自己欺瞞の中に流されていく者等がからまりあう群像劇。というと、どこか『されどわれらが日々――』を思い出すが、そのテーマを継承しつつ、よりポリフォニックに描き出している。文体的にも『されど~』のリリカルな感じはなりをひそめ、猥雑さと混沌との混ざり合ったあえて粗削りな文体になっている。2022/05/10
ゆめこ
2
面白かったが、やはり今とは時代があまりに違うと感じた。 政治を、若者が変えて行けると信じて疑わなかった時代。 ひたむきなあまり、苦しんでしまう若者たちが切ない。 2025/01/04
yasutaka
2
『されどわれらが日々』から、こんな本も書いていたのですね。『されど・・・』をむしゃ振り読んだ頃へタイムスリップした感じで、なつかしいです。2018/03/20