内容説明
1970年、NHK特派員としてアメリカ政治の中枢ワシントンに赴任。以後20年余、ホワイトハウスや議会、各要人らへの数多くの取材を通じて、歴史がつくられていくプロセスをつぶさに体験することになる。本書はその間の膨大な取材ノートをもとに、歴代の大統領と首相の関係を軸にして、日本が国家としての体裁を失っていく姿を描き出す。ワシントンからだからこそ見える、世界に晒された日本の姿がここに。
目次
序章 私がみた日米関係の軌跡
第1章 沖縄の核抜き返還を百万ドルで買った佐藤首相
第2章 アメリカの没落と日米摩擦の始まり
第3章 ロッキード事件の秘密
第4章 核のボタンを持ち歩くことを拒否した大統領
第5章 カーター政権の内幕―英雄か夢想家か
第6章 戦後の処理がすんでいない日米関係
第7章 レーガン、甘やかしの対日戦略
第8章 日本の奇妙な立場の始まり
第9章 ロビイストが動かしていたブッシュ政権
第10章 クリントンのアメリカはどう変わったか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
50
長年NHKの特派員として、ワシントンのホワイトハウスの中枢で取材を続けてきた経歴を活かし、ニクソン、フォード、カーター、レーガン、ブッシュ(シニア)という歴代大統領と日本の首相たちのやり取りを、アメリカの視点から描き出した俊逸な一冊。アメリカの思惑と日本の思惑のギャップが、詳しく解析されており、とても面白く仕上がっている。本書を読んで感じたことは、やはり日本の外交の稚拙さ、というより幼稚さが、嫌というほどよくわかる。まるで日本という名の孫悟空がアメリカというお釈迦様という手の平で踊っている姿がやるせない。2015/11/13