集英社文庫<br> いきもの抄

集英社文庫
いきもの抄

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  • サイズ 文庫判/ページ数 238p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087486322
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

55歳の誕生日を目前に、脳血栓で倒れた「わたし」。半身不随で回復の見込みはない。若い妻は働きにでる。美貌の家政婦との生活が束の間の充実となるが、やがて去られ、いよいよもって孤独に…。死に向かう日々に訪れた、一瞬の輝きと残酷さを描く表題作ほか、集団疎開の体験をもつ60歳ちかい男女の、来し方行く末に思いを馳せる「喜連川」等々。人生の冬の入口にさしかかった人間の、痛切な思いを綴る作品集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新田新一

38
作者のことは知らなかったのですが、私の好きな泉鏡花文学賞の受賞者だったので、読んでみました。いずれの短編も現実の中にある幻想を凝視したところがあり、泉鏡花の作品と共通点があります。男女の切ない恋を描いた「喜連川」が一番の好みです。幼馴染の房子と彦坂は戦争中に親しくなりました。彦坂は疎開中の房子の面倒をよく見て、彼女の支えになりました。房子が結婚した後も二人は会うことがありました。ある日彦坂の苦境が感じられる電話がかかってきて……。現実の世界を超えてしまった房子の狂気が胸に刺さる一編です。2025/07/06

yamakujira

0
初老の男女の内面を描く短編集。 収録作品「蝶の褥」は、登山に出かけて失踪した友人を思う男の葛藤がにじむ。なじみ深い山々の名を見て、物語に関係のない感慨が湧いた。 (★★☆☆☆)2013/05/23

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