出版社内容情報
モネ、マティス、ドガ、セザンヌ。19世紀から20世紀にかけて活躍した美の巨匠たちは何と闘い、何を夢見たのか。彼らとともに生きた女性たちの視点から色鮮やかに描き出す短編集。(解説/馬渕明子)
内容説明
ジヴェルニーに移り住み、青空の下で庭の風景を描き続けたクロード・モネ。その傍には義理の娘、ブランシュがいた。身を持ち崩したパトロン一家を引き取り、制作を続けた彼の目には何が映っていたのか。(「ジヴェルニーの食卓」)新しい美を求め、時代を切り拓いた芸術家の人生が色鮮やかに蘇る。マティス、ピカソ、ドガ、セザンヌら印象派たちの、葛藤と作品への真摯な姿を描いた四つの物語。
著者等紹介
原田マハ[ハラダマハ]
1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部および早稲田大学第二文学部卒業。2005年「カフーを待ちわびて」で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞し作家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
532
大好きな原田マハさんの作品だけど、美術史の知識がないのと自分のジャンル外でして、読むのに大苦戦!自分の知識のなさに自己嫌悪でした。短編なのでなんとか読めました。『タンギー爺さん』と表題作『ジヴェルニーの食卓』は面白かったです!2015/09/24
ろくせい@やまもとかねよし
502
人間がもつ利他的な思いやりを、極めて上手い表現で浮き彫りとする原田さんの筆力を感じた。著者が得意な近現代美術の作家たちを題材に、言葉を尽くさない他者への尊敬が描写されてる。2019/04/14
Yunemo
443
「エトワール」「14歳の小さな踊り子」、今思えば確かに圧倒されて見入った経緯が浮かびます。一瞬の中に見る永遠の美、まさにその通り。まして、この作品制作のバックグラウンドにこんな物語があったなんて。「ラ・ジャポネーズ」のカミーユの生活がこんなだったんだって。1枚の絵画に託された想い、熱情、吸収しきれません。それよりも妙な反発を受けてしまう、そんな感じを受けて眺めているのが実情。4人の美の巨匠を女性の視点で描かれる物語。これら4作品、史実に基づいたフィクションと言いながら、まさに現実的。読後に鑑賞したかった。2015/11/01
けいご
431
アートってよく「形として残された作品」のことを指す事が多いように思えるけど、「作者の愛してきた世界観全てをアートって言うんだよ」って言われた気がした一冊でした★周りの人達はそんな作家と何気ない同じ時間を歩む事が幸せだったんだろうな〜。今日まで残された作品が作者の愛してきた世界そのものだどすると、目の前にある作品達は恐ろしく尊い世界なんだな〜と思います。もはや命そのものだよねw絵の中で永遠に生きるって意味がわかった気がしました。自分の尊い時間の為にも食後にプラム酒で乾杯してみようかなw2020/06/26
ミカママ
415
マハさんの美術モノにありがちな、どの辺からフィクションなのかしらと想像しながら。画家同士やパトロン、モデルなどとの繋がりを読むのが楽しかった。手許にある画集総動員で。『楽園のカンバス』と違い、美術、とりわけ印象派に興味がないと、読み進めるのは辛いのでは、とも。いやいやでも、印象派は日本人には絶対的な人気だものね、やっぱり外してないということか。2018/03/04