出版社内容情報
謎の琥珀の欠片で、不死の力を得た祈禱僧ラスプーチン。偶然その片割れを手に入れた宮澤賢治は争奪戦に巻き込まれる。伝奇ロマン!
内容説明
大正12年、奇妙な石を持った男が宮澤賢治のもとを訪れる。ふたつに割れた琥珀の片割れで、封じ込められているのは妖精なのだとか。半信半疑で石を手に樺太への旅に出た賢治に、以前からこの石を追っているという男女が接近してくる。彼らの話では、もう片方の琥珀の力で不死となった祈祷僧ラスプーチンが奪取を狙っているという―。人智の及ばぬ琥珀をめぐる暗闘を描く大正ロマンファンタジー。
著者等紹介
平谷美樹[ヒラヤヨシキ]
1960年岩手県生まれ。大阪芸術大学卒業。2000年『エンデュミオンエンデュミオン』でデビュー。同年『エリ・エリ』で第1回小松左京賞受賞。14年「風の王国」シリーズで第3回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さつき
68
人は死んだらどこに行くのか?愛する人に再び会うことはできないのか?最愛の妹の死に打ちのめされる宮沢賢治が仕事で樺太へ向かう。その懐中にはひょんな事から手に入れた妖精が閉じ込められた琥珀があり、得体の知れない男女に声をかけられ大冒険が始まります。怪僧ラスプーチンの登場には驚愕!派手な活劇と、妹の幻視、そして生と死の狭間で揺れ動く心。いろんな要素が絡まり合った展開をドキドキ楽しみました。2023/10/20
ひさか
29
2023年8月集英社文庫刊。書き下ろし。琥珀という名前の妖精の話?と思っていたら、琥珀になっている妖精の少し不気味なお話でした…。この琥珀に操られる怪僧ラスプーチンと宮沢賢治と軍部の秘密機関が入り乱れての事件は不気味で騒々しいだけの世界でした。賢治の亡くなった妹のトシが出て来るシーンが、詩的で良かった。2024/03/31
ちょん
19
宮沢賢治繋がりで読みましたが…世界観すごい。ぶっ飛んでるのに、あーこれはアリですわ、と納得いく仕上がりになってた(笑)賢治が北海道まで行った史実はあるみたいなので、もしかしたらこんな事起こってたのかも、と思うと面白い。2024/08/03
イシカミハサミ
13
平谷さんと宮沢賢治ということで ちょっと期待したけれど、いつもの平谷さんだった。 妖精琥珀の設定は魅力的でおもしろかったし、 当時の北海道や樺太を描写した作品にはなかなか出会わないので そこは十二分に楽しめた。 主人公が宮沢賢治でさえなければなあ、という作品だった。 さすがにドンパチのイメージはないなあ。2024/05/15
スプリント
10
宮沢賢治が主人公。相手がラスプーチンという中々のファンタジー設定。 本人に特別な力はなく、妖精琥珀を利用しながら苦難を脱する設定はよいと思った。2023/11/26
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