出版社内容情報
部屋を満たすようにして流している音楽は「まだ完全な恋ではない、でも絶対に、淡いあこがれとか、片思いとかじゃない、なんて言えばいいのだろう、色濃く漂ってくる恋の気配みたいなものを感じさせる主旋律。そのあとに続くのは、春の嵐だ。(本文より)
春の嵐のように自信満々な初恋、友達以上恋人未満の遠距離初恋、球根のように地中深くうめておきたい秘密の初恋、運命の初恋、ひそやかにふくらむ初恋。五粒のチョコレートボックスのような10代の恋のせつなさがつまった五つの物語。
第一話 春の嵐と夏の約束
第二話 秋の竜巻と冬の薔薇
第三話 猫の天気予報
第四話 七つの「好き」の物語
第五話 晴れ、ときどき雪
エピローグーーあとがき、ときどきエッセイ
内容説明
5粒のチョコレートボックスのようなせつない10代の初恋物語。恋愛小説の名手、小学館児童出版文化賞受賞の小手鞠るいによる初恋小説集。
著者等紹介
小手鞠るい[コデマリルイ]
1956年3月17日、岡山県備前市生まれ。魚座。血液型はA型。同志社大学卒業。1992年からニューヨーク州在住。手紙や詩、日記や作文が大好きで、中学生時代から、作家になりたいとあこがれていた。児童書、一般文芸書ともに著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめか*
24
YAコーナーにあって気になって読んでみた。10代の思春期の恋愛短編物語。ピアニストを目指す愛理と小説家を目指す雄大のお話が、キュンとして特に良かった。菜々花に恋をしているが、困らせたくなくて友情が壊れるのが怖くて言えない世緒莉。それに気づいている夢美。夢美は翻訳家になることを夢見て、ホームステイに来たジェイクに恋している。ベーカリーカフェで働く雪さんに憧れを抱くまりな。雪さんには婚約者がいて…それぞれの揺れ動く心がやさしく書かれていて、両想いにも片想いにも甘酸っぱい気持ちになった。他のシリーズも気になる。2025/01/09
雪丸 風人
15
恋を成功させる秘訣を知りたい?ならばぜひ!謳い文句はチョコレートボックスのような物語ですが、味わいはビターなのからスイートなのまで様々。なかなか出せない勇気など自分にも覚えがあり過ぎました。お互い違う目標を掲げながら、よい方向に刺激し合い高め合う二人は応援したくなりましたよ。思い込みからドはまりする苦悩や、すれ違いからの思わぬ展開など、簡単に成就しないからこそやっぱり面白い!そして、楽しい恋愛小説にだって国際色や多様性を盛り込むのは、もはや先生の十八番。作中詩にも要注目です。(対象年齢は12歳以上かな?)2024/11/16
にたいも
10
ほんわか10代半ばのスイートで爽やかな恋の短編5篇。等身大な悩みをさりげなく書いていて、小中学生が読みやすそう。恋をすると、好きで好きで相手のことを考えて、自分のこともよくわかるようになるね。小手鞠さんらしい、多様性を意識した登場人物たち。4つの作品の後日譚になっているらしく、『ごはん食べにおいでよ』は特に読みたくなった。5粒のエシカルチョコが執筆のきっかけというのが、面白い。11歳くらいから〜2025/03/29
kyoko
2
高校生たちのピュアな恋バナ。 初々しくていいなー2025/01/21
ekoeko
1
小中学生向きの10代の恋5編。2024/11/27