講談社選書メチエ<br> 記憶術全史―ムネモシュネの饗宴

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講談社選書メチエ
記憶術全史―ムネモシュネの饗宴

  • 桑木野 幸司【著】
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  • 講談社(2018/12発売)
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  • サイズ B6判/ページ数 352p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784065140260
  • NDC分類 141.34
  • Cコード C0322

出版社内容情報

古代ギリシアで生まれ、中世を経て、ルネサンスで隆盛を極めた「記憶術」。この技法がたどった歴史を描く、気鋭の著者による決定版。パソコンやスマホをアップデートしたら、画面がガラッと変わって、お目当てのアプリや写真がどこにあるのか分からなくなって呆然。あるいは、近所のコンビニが改装されて、棚の配置がすっかり変わってしまったら、お気に入りのお菓子や飲み物がどこに置いてあるのか分からなくなってイライラ。
──こんな経験は、きっと誰にでもあることでしょう。
このように、記憶というものは「場所」と結びついています。そして、ヨーロッパには、この特性を利用して、膨大な記憶を上手に整理し、必要な時にすぐ取り出せるようにする技法が存在していました。
それが本書のテーマです。
古代ギリシアで産声をあげた記憶術は、紙が貴重だった時代、長大な弁論を暗唱するために開発されました。キケロやクインティリアヌスといった一流の弁論家はもちろん、カエサルも会得していたとされるその技法は、中世には下火になるものの、やがてキリスト教の影響を受けて変容します。そして、15世紀に始まるルネサンスの中で華麗な復活を遂げ、指南書が陸続と出現しました。ところが、17世紀に入った途端、隆盛を極めたかに見えたこの技法は、忽然と姿を消すのです。いったい何が起きたのでしょう?
記憶術は、20世紀になって、パオロ・ロッシ『普遍の鍵』(1960年)と、フランセス・イエイツ『記憶術』(1966年)という記念碑的な著作によって、一挙に脚光を浴びるようになりました。いずれも邦訳が刊行され、日本でも話題になったのをご記憶のかたも多いことでしょう。それから半世紀を経て、記憶術は、文学、哲学、史学、美術史、建築史、音楽学、科学史、思想史、イメージ人類学、教育論、メディア論、記号論、医学など、実に多彩な領域の論客たちが名乗りをあげるようになり、新たなシーンが現れています。
本書は、その最先端で世界的に活躍する気鋭の著者が、記憶術の誕生から黄昏までを一望できるようにと願って執筆した、今後のスタンダートになること間違いなしの決定版です。

プロローグ ムネモシュネの饗宴──開宴の辞
第1章 記憶術の誕生
第2章 ルネサンスの記憶術
第3章 忘却術とイメージの力
第4章 天国と地獄の記憶──ロッセッリ『人工記憶の宝庫』
第5章 饒舌なる記憶──デル・リッチョ『記憶術』の世界
第6章 テクストの中の宇宙──チトリーニ『ティポコスミア』が描き出す建築的情報フレーム
第7章 混沌の森から叡智の苑へ──デル・リッチョの記憶術的理想庭園
第8章 記憶術の黄昏──シェンケルの「方法的」記憶
エピローグ 終わらない宴

書 誌
あとがき


桑木野 幸司[クワキノ コウジ]
著・文・その他

内容説明

通勤や通学の途中で通っていた場所に新しいビルが建つ。しばらくすると、前に何があったか思い出せなくなってしまう。誰もがそんな経験をしたことがあるように、「記憶」は「場所」と深く結びついている。この特性を使って膨大な記憶を整理・利用できるようにする技法がかつてヨーロッパに存在した。文学、哲学、史学、美術史、建築史、音楽学、科学史、思想史など多彩な領域に及ぶこの秘技の誕生から黄昏までを一望する。世界の最先端で活躍する気鋭の著者による決定版!

目次

プロローグ ムネモシュネの饗宴―開宴の辞
第1章 記憶術の誕生
第2章 ルネサンスの記憶術
第3章 忘却術とイメージの力
第4章 天国と地獄の記憶―ロッセッリ『人工記憶の宝庫』
第5章 饒舌なる記憶―デル・リッチョ『記憶術』の世界
第6章 テクストの中の宇宙―チトリーニ『ティポコスミア』が描き出す建築的情報フレーム
第7章 混沌の森から叡智の苑へ―デル・リッチョの記憶術的理想庭園
第8章 記憶術の黄昏―シェンケルの「方法的」記憶
エピローグ 終わらない宴

著者等紹介

桑木野幸司[クワキノコウジ]
1975年、静岡県生まれ。東京大学大学院工学系研究科博士課程単位修得退学。博士(文学)(ピサ大学)。第八回(平成23年度)日本学術振興会賞受賞。現在、大阪大学大学院文学研究科准教授。専門は、西洋美術・建築・都市史・ルネサンス思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

サアベドラ

31
古代ギリシア・ローマに起源を持ち、ルネサンス期に流行したという記憶術の指南書を図像学や表象文化論などを手がかりに読み解く。著者は気鋭の西洋美術・建築史家。2018年刊。記憶術自体は現在「場所法」とか「マインド・パレス」などと呼ばれているものに近い。情報の洪水が世界を覆い始めていたこの時代、西欧知識人たちは知識=智慧という前提のもと、あらゆるものを記憶しようと躍起になっていたらしい。その様は現在の我々から見ると滑稽にさえ感じられるが、確かにこれも人類の知的探求の一コマなのだろう。楽しく読めました。2019/02/16

yutaro13

28
ヨーロッパにおける記憶術の盛衰を追う。記憶術とは「心の中に仮想の建物を建て、そこに情報をヴィジュアル化して順次よく配置したうえで、それらの空間を瞑想によって巡回」するというもの。紙の調達が不自由だった古代ギリシアで長大な弁論を暗唱するために考案された記憶術は、変質を被りつつも中世を生き延び、情報の飛躍的増大を経験したルネサンス期に最大の質的変容を遂げ、印刷本の発明とともに情報処理のパラダイムが転回するに及んで忘れ去られた。「全史」と題するのは大仰すぎるとは思うものの、知的興奮を刺激される本には違いない。2019/04/19

デビっちん

25
外付けHDDやUSB、あるいはクラウド上のストレージに情報を保管している現代は、中世の紙媒体から脳内の仮想空間に情報を保管していることと同じようであるという説明が妙に印象に残りました。情報は何でもかんでもそのまま保存しっぱなしにするのではなく、秩序的空間連鎖とイメージ化を組み合わせ、日々巡回することで情報への記憶もアクセススピードも高まるのだと思います。記憶術のやり方や歴史だけでなく、芸術への関連や研究者への言及もされていたのが乙なものでした。2019/02/16

masabi

18
【概念】古代から初期近代までの記憶術を辿る。【感想】場所 、イメージ、秩序を基礎にした建築的記憶術が時代を経ていかに変化していったのか。古代の長時間の演説を支え、初期近代には立身出世の道具、情報爆発の対応として。最後には外部媒体の活用に道を譲る。 2019/01/27

まろにしも

14
ルネッサンスが沸き起こる過程で一緒に古代の記憶術が復興していく背景が興味深かった。近代に向かう中で記憶術がなぜ衰退していったのか? 記憶するという本来の目的から離れ、脳の潜在能力の覚醒を引き起こす手段として記憶術を捉えたとき、AIによるシンギュラリティが迫る現代において再び、人類にとって強力なツールとなり得ないだろうか。2019/01/01

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