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講談社学術文庫
欧化と国粋―明治新世代と日本のかたち

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  • サイズ 文庫判/ページ数 360p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062921749
  • NDC分類 311.3
  • Cコード C0131

出版社内容情報

日本人は何を誇ればいいのか? 若きナショナリズムは悶え、苦しむ。明治エリートの対立に〈日本〉像の転回点を見出す記念碑的研究。

西欧文明を前に、たじろぐ明治新世代。初めて西洋型教育を受けた彼らは、この国のかたちがどうあるべきか論争した。政府の欧化政策に反発しつつも下からの欧化主義を唱えた徳富蘇峰。それに反発し国粋保存を訴える志賀重昂、文化的アイデンティティ確立を模索した陸羯南、三宅雪嶺ら。日本人は何を誇ればいいのか? 若きナショナリズムは身悶えしていた。

日本語版への序文
序 文
凡 例

序 章
第一章 新しい世代
第二章 明治青年と欧化主義
第三章 日本人のアイデンティティーをめぐる諸問題
第四章 国民意識の苦悩
第五章 条約改正と民族自決
第六章 精神的保証を求めて
第七章 国民的使命の探求
第八章 戦争と自己発見
第九章 日本の歴史的苦境

原 注
訳者あとがき
文庫版訳者あとがき

【著者紹介】
1936年、ペンシルバニア州生まれ。ハーバード大学歴史学部卒業、ジョンズ・ホプキンス大学にて日本政治史を専攻し1965年、博士号取得。1964年以降、ワシントン大学教授(歴史学・アジア研究)。1974年、日本研究専門学術誌 The Journal of Japanese Studies 創刊時に編集責任者をつとめた。著書多数。日本語訳は本書のほか、加藤幹雄訳『日本への疑問――戦後の50年と新しい道』(サイマル出版会、1995年)など。

内容説明

西欧文明を前に、たじろぐ明治新世代。初めて西洋型教育を受けた彼らは、この国のかたちがどうあるべきか論争した。欧化政策に反発しつつ下からの欧化主義を唱える徳富蘇峰。それに反発し国粋保存を訴える志賀重昂や文化的アイデンティティ確立を模索した陸羯南、三宅雪嶺ら。日本人は何を誇ればいいのか?若きナショナリズムは身悶えしていた。

目次

第1章 新しい世代
第2章 明治青年と欧化主義
第3章 日本人のアイデンティティをめぐる諸問題
第4章 国民意識の苦悩
第5章 条約改正と民族自決
第6章 精神的保証を求めて
第7章 国民的使命の探求
第8章 戦争と自己発見
第9章 日本の歴史的苦境

著者等紹介

パイル,ケネス・B.[パイル,ケネスB.] [Pyle,Kenneth B.]
1936年生まれ。ハーバード大学卒業、ジョンズ・ホプキンス大学にて博士号取得。ワシントン大学教授(歴史学・アジア研究)

松本三之介[マツモトサンノスケ]
1926年茨城県生まれ。東京大学名誉教授

五十嵐暁郎[イガラシアキオ]
1946年新潟県生まれ。立教大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Mark

23
明治時代の知識人たちが抱えた葛藤を大変詳しく知ることができる名著です。 明治維新から約20年が経過した1880年から90年にかけて、青年期を迎えた徳富蘇峰、陸羯南などのジャーナリストが、西洋化と日本の伝統にどのように折り合いをつけるかについて激論が交わされていました。 国粋主義は、大東亜戦争をもたらした偏狭な思想のイメージがありますが、政教社の当初の考え方は、「西欧文明は、咀嚼し消化してから取り入れるべき」というもの。合理的な物。思想が本来と違う意味に解釈され、暴走することへの戒めでもあります。2020/12/04

肉尊

14
民友社と政教社の関係は従来、民権論と国権論という切り口で語られてきた。徳富蘇峰の影響力は一過性のものではなく、日本人の民族アイデンティティを形成する上での救済と期待されていたのではないか。今なお蘇峰の「転向」は、一種の裏切りのように捉えられる節もある。陸羯南を稀代のジャーナリストと位置づけた場合、蘇峰はやはり実業家の側面が強い。渋谷公会堂で開催された『近代日本国民史』100冊記念講演会での発言を聞く限り、やはり大衆迎合的側面は否めない。徳富蘇峰記念館で、蘇峰の人となりをもう少し検討していきたいと思う。2021/02/02

politics

5
徳富蘇峰ら民友社系と三宅雪嶺ら政教社系に腑分けして明治中期の思想空間を、書名にある如く欧化と国粋の相克として論じた書。その初期においては相当ラディカルな議論を展開していた蘇峰、単なるナショナリズムや保守主義ではないユニークな議論を展開した陸や三宅など、登場する思想家の議論が大変簡潔にまとまられており、原著からかなりの年月を経ているが今もその価値は失っていない。後書きでも述べられているが、欧化と国粋、この二つの型は今尚リアリティのある思想であり、その原型を理解する事は意義ある事だろう。2023/05/22

バルジ

1
もはや古典と評せる明治中期のナショナリズム研究書。民友社(徳富蘇峰)と政教社系(三宅雪嶺・陸羯南・志賀重昂)をそれぞれ欧化と国粋の代表論として、その思想的変遷を対比列伝風に論ずる。既に半世紀以上前の研究のため、正直現在の研究水準を鑑みると耐えない部分もあるも、それぞれの「文明」との苦闘の姿がありありと描き出される。英人の文化的な日本称賛を「国辱」と憤る蘇峰、「国粋」を文化的に解釈し頑迷固陋な「保守」と区別せんとする雪嶺、彼らの闘いは「国家主義」によって覆われ蘇峰はそのイデオローグとなる皮肉な結末である。2024/08/25

R

1
徳富蘇峰,三宅雪嶺、陸羯南といったものすごいエネルギーと情熱をもったジャーナリストたちが、それぞれの信念のもと、議論を戦わせていた。それは健全な議論であった。2018/12/08

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