出版社内容情報
九鬼白雪は、妖術学校「吽影開智学校」の新入生。彼女を待ち受けるのは、くせのある教師や同級生、そして帝都の怪異とミステリー!
九鬼白雪は、妖術学校「吽影開智学校」の新入生。出迎えた卒業生の猫目坊はじめ、ひとくせもふたくせもある同級生や教師たちとの奇妙な学校生活が始まる。白雪を待ち受けていたのは、帝都の夜廻り、怪異と冒険、友情とミステリー、そして……。
内容説明
九鬼白雪は、妖術学校「吽影開智学校」の新入生。出迎えた卒業生の猫目坊はじめ、ひとくせもふたくせもある同級生や教師たちとの奇妙な学校生活が始まる。白雪を待ち受けていたのは、帝都の夜廻り、怪異と冒険、友情とミステリー、そして…。
著者等紹介
中里友香[ナカザトユカ]
2007年『黒十字サナトリウム』で第9回日本SF新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひめありす@灯れ松明の火
40
大好きな泉鏡花を彷彿とさせる馥郁として芳醇な香りのする文章。まるで梔子や木犀を漬け込んで作ったお酒のようなくらくらっと人を酩酊させる不思議な文章。もそっとした湿度のある日本家屋を思い起こさせる谷崎的に淫靡な表現。好いたものに関する過剰な執着と情愛。何かが起きそうで、何も起きていない表現。曖昧な表現で読者に答えを探させる文章は大時代的な印象を読む人に与える。とにかく良い意味での雰囲気小説。これはこれで十分好きなのだけど、もっとギムナジウム的な学校生活の色々や寮生活のあれこれを読んでみたかったなあと思います。2012/03/23
藤月はな(灯れ松明の火)
34
不吉な予言を映す桜舞鏡。離れられぬ肉体を抜けて乖離する魂。内なる狂気を使う妖術。跋扈する吸血鬼(屍鬼)。許させぬからこそ、燃え上がる想いと執着と憎悪の罪業で縛られし犬神。そして幽界と混ざり合った桜の下で明らかになる縁と再会。憑物について調べていたことがあったので狸と貉が狭霧に低頭していた理由にははあんとなり、タブーの理由に無性に遣る瀬無くなります。しかし、選択もしないために絶対とは言えない優しさに振り回されるならば、相手の首を咬み砕いてでも自分の願いを叶えたい私としては遠野怜史朗の時の白雪が大嫌いです。2013/04/08
小夜風
26
【所蔵】装丁からYA(ヤングアダルト)かと思えたのですが、2段組で読み難く一度挫折…先に読んだ娘が面白さを保証してくれたので頑張って読み進めたら度ストライク!「好き」の要素がギュウギュウに詰め込まれていて、ハマってからは一気読みでした。特殊な能力がある子どもたちを集めて養成する妖術学校の話…なのですが、それぞれが背負っているものが重いのなんの…壮絶でした。猫目坊の所作や言葉使いがゾクッとする程心地好かったのですが、「婀娜」という言葉の意味が初めて判った気がしました。切なく哀しく美しい物語…とても好きです。2020/06/12
むつぞー
18
物語の持つ濃厚で妖艶な雰囲気も、妖しくそれぞれ魅力ある登場人物も、怪しい事件とかも大変好みであるだけに、よりそう思うのかもしれません。 もっと細かいところまで描いてもらいたいのよ。 例えば学校そのものについて、例えば狭霧が白雪に向ける感情についても…。 ハッキリ言ってノベルズか文庫で長いシリーズでもってやるべきものを、1冊にしてしまったために、相対的にどこか散漫になり、何かが足りなく感じるような気がします。 続編とか、足りない部分を描いた短篇集とか出してもらえないかな。 もっと読みたいよ~。2012/01/26
iuba
11
意外と少女小説だったのが一番の驚きどころ。キャラ小説かなあ。だいたい雰囲気押し。那智がよかった。そして狭霧も猫目坊も好き。ライトに泉鏡花風味。できたらシリーズものに仕立てて分冊して欲しかった。ギムナジウム要素というか、序盤だけうっすら学園の気配があったのみで、以降はすっかり影を潜めてしまった設定が惜しい。所々、フェティシズムを凝らした少女目線の優美を追求する描写があり、そこはひどく楽しんだ。2012/09/08
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- 和書
- ガリバー旅行記 角川文庫