出版社内容情報
ジョナサン・スウィフト[ジョナサンスウィフト]
著・文・その他
山田 蘭[ヤマダ ラン]
翻訳
内容説明
小人たちの国、巨人たちの国、空飛ぶ島の国、馬たちの国…イギリスに妻子を残し、懲りずに旅を続けたガリバー。彼が出会ったおとぎの国々を、誰もが一度は夢見たことがあるだろう。子供の心と想像力で、スウィフトが描いたこの奇想天外、ユーモアあふれる冒険譚は、けれどとびきり鋭く辛辣に、人間と現実社会をみつめている。読むたび発見を新たにする、冒険旅行小説の歴史的名著。抜群に読みやすい新訳版。
著者等紹介
スウィフト,ジョナサン[スウィフト,ジョナサン][Swift,Jonathan]
1667‐1745。イギリスの小説家、ジャーナリスト、詩人。アイルランド生まれ。ダブリン大学を卒業後に渡英、政治家テンプルの秘書となり国政の様々を学び、文筆の才を養う。29歳で処女作『桶物語』を執筆。テンプルの没後ダブリンに戻り司祭の職に就き、イングランド政界との繋がりを生かしてアイルランド教会のために奔走する。1720年代に入ると文学者として名を馳せ、風刺色の強い作品を発表しながら着想をえた『ガリバー旅行記』を書き上げ、世界的な成功を収める
山田蘭[ヤマダラン]
英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
102
1726年出版。4篇からなる壮大な旅行記で何と言っても有名なのは、小人の国に漂流する『リリパット国渡航記』だろう。これに巨人の王国での冒険を描いた『ブロブディンナグ国渡航記』までが、20世紀に広く読まれた児童文学としての『ガリヴァー旅行記』だ。しかし、本書の真骨頂は続く2篇の痛烈な風刺の物語にある。空飛ぶ島『ラピュータ』から苦難の末、日本到着までの第3篇。高貴で知的な馬の種族と、邪悪な人類『ヤフー』が描かれる『フウイヌム国渡航記』は人間社会への呪詛に満ちている。海外では政治文学としても読まれているそうだ。2015/12/17
こきよ
60
スウィフトが、ジャーナリスティックな視点をも併せ持つという点に於いては、西洋絵画史に於ける、同時代のホガースや、後のジェリコーを、想起させますね。風刺や寓意、さらには激しい批評性というものに溢れており、文学や絵画表現というものが、この時代の先端の情報媒体だということが、よく解る作品ではないでしょうか。2014/07/02
すしな
59
094-23.旅のラゴスを読んで、カリバーっぽい?と思ったのがきっかけで読み始めました。ガリバー旅行記の絵本は誰もが一度は読んだことがある本だとは思うのですが、原書はそのファンタジー要素よりも、江戸時代中期のイギリスの世相を風刺した大人向けのSFっぽい内容だったので、若干面食らいましたが面白かったです。また、政治家、法律家、医者に関する風刺は、現代に通じる部分も少なからず有り、なかなか読み応えがありました。2023/09/09
Shoji
59
色んな意味でびっくりさせられた本。ずっと小人の国の物語だと思っていた。大巨人の国、天空の国、馬の国やら、こんなの全然知らなかった。まして、日本にも来ていたなんて。まず思い知らされたのは、うわべだけではダメだってこと。日本に来ていたなんて実際読まなきゃわからない。著者が言いたかったことはなんだろう。他者へのリスペクトやダイバーシティか、戦争の愚かさか、人間の強さか。それとも弱さか。冒険小説だと今までずっと思っていた。違ってた。色々詰まっている社会派小説。脱帽しました。2019/06/13
♪みどりpiyopiyo♪
56
『ガリバー旅行記』といえば小人の国を知る程度でしたが、他にも幾つもの不思議な国へ漂着していたのですね。ってか漂着し過ぎ!笑。■既知の小人の国は退屈でしたが、次の国で「お?!」。最後の国で「ああ、これを書きたかったのか」と。■空想小説の草分け、批評精神と鬱屈した怨嗟、鋭利な頭脳と病んだ精神。いつの時代にもルサンチマンを拗らせちゃう秀才って居るのね。■飛行機の初浮上や飛行船の操縦が実現する遥か200年も前の小説です。当時の読者にはラピュタの登場はなかなかに奇抜でhotだったことでしょう。(1726年)(→続2019/07/10
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- 和書
- 天総官文興進様