内容説明
探偵たちの必死の防衛もむなしく毎月十九日に彩紋家縁者が怪死する事件は続き、日本探偵倶楽部の存続も危ぶまれる事態となった。事件の真相に迫った探偵たちは、彩紋家の秘密と、日本史の根幹を揺るがす真実の前に立ち尽くす。事件は伝説となり、新たに「JDC」と改称した探偵組織の歴史が幕を開ける。
著者等紹介
清涼院流水[セイリョウインリュウスイ]
1974年8月9日、兵庫県生まれ。京都大学在学中の1996年、『コズミック』で第2回メフィスト賞を受賞し、衝撃デビュー。以後、著作多数。従来の小説の常識をことごとく覆す、その唯一無二の作風は「流水大説」と称される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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緋莢
13
完結巻。ええ、完結しましたよ。読んだ人間が納得するかどうかは別ですけど。毎月十九日に彩紋家の縁者が死んでいく事件は続いていき、終盤で出てくる「××の正体は××だ」というのには、驚きのええっ!!?というより、困惑のええっ…でしたし、十九の口癖の意味にいたっては、あまりにもアレすぎて脱力しました。フィクション作品なので荒唐無稽なのは構わないんですが、その荒唐無稽さに、説得力をきちんと持たせて欲しいと感じました。まあ、著者的には説得力があると思っているのかもしれませんが。『カーニバル』より短い点だけ評価できます2020/11/12
年中古本派・文花
12
「彩紋家事件」無事読了!と同時に、JDCシリーズも読了!1月26日から「ジョーカー上下巻」「コズミック上下巻」「カーニバル全五巻」「彩紋家事件全三巻」全部で十二冊!二ヶ月あっという間だったねw途中、骨折というアクシデントもあったけどwJDCシリーズ最終章「双子連続消去」待ってるよ!w2018/03/27
よっぷぃ@アイコン詐欺
9
きたきた。御大ならではの、トンデモ展開。これを喜ぶようになったら、流水中毒でしょうか(笑) 好き嫌いは分かれるだろうけど、やっぱりプロットはすごい。そして他作品で広げた風呂敷や、次に広げる風呂敷にまでリンクして見せた。細部にまで強いこだわりをもつ作家だが、こだわりが自己満足方向に向いているため、細部に神が宿らない稀有な作家と言えるかも。語りたい事、試したい事が、無数にあるのは理解できるが、そぎ落とす事で物語の鋭さが増すのではないかと感じた。こだわりを捨て、描写力が増せば、すごい作家になると思うんだけどな。2012/08/25
ヒロユキ
7
言葉遊びの奔流に常人にはたどり着けない本作の構造。清涼院流水の作品を読んだな~という満足感、なにがなんだかわからないけど癖になる。御大にそのモチベーションがあるかはわからないけど、連続双子消失事件も読みたいな。2014/07/05
feodor
6
ようやく彩紋家事件終了。現在、清涼院作品の中で普通に書店で入手できるものはあまり多くはなくて、そこにこの作品だけで清涼院流水という作家を評価する、ということは難しい。ただ、そういう中でみると、正直大風呂敷という印象はぬぐえない。事件は次々と起こる、そこに奇術は絡んでくる、70年代後半から80年代にかけての日本の社会史に触れながら事件は展開していく……というのはわかるのだけれども、描写力でぐいぐいと引っ張って行くわけでもないし、延々1・2で示された奇術が解決にどれだけ絡んでいたのかというと、正直それほどに感2010/08/29