出版社内容情報
中世の叙事詩『ベーオウルフ』、アーサー王伝説、ロビン・フッド、騎士物語、妖精伝説、ヒロイン、怪物や魔女、トールキンの世界など現代のファンタジー文化に大きな影響を与えたテーマやキャラクターを180点の図版で解説。
内容説明
神話伝説は、生と死の循環、希望と再生が織り込まれた、人間にとって知の宝庫である。中世英国の叙事詩『ベーオウルフ』、アーサー王伝説、ホーリー・グレイル、ロビン・フッド、騎士物語、妖精伝説、ヒロイン、怪物や魔女、トールキンの世界など、現代人が求める生きるための物語、そしてファンタジー文化に大きな影響を与えたテーマやキャラクターを一八〇点の図版で解説する。
目次
第1章 アングロ=サクソン人の到来
第2章 ベーオウルフ
第3章 デンマークの支配
第4章 アーサー王伝説
第5章 高潔な騎士と貴婦人の恋人
第6章 ロビン・フッド
第7章 妖精からパックまで
第8章 ブギーマンと獣
著者等紹介
ケリガン,マイケル[ケリガン,マイケル] [Kerrigan,Michael]
英国オックスフォードのセント・エドワード・カレッジとユニバーシティ・カレッジで学ぶ。歴史に関する著書の執筆のほか、書評をタイムズ文芸付録などに寄稿している
角敦子[スミアツコ]
福島県会津若松市に生まれる。津田塾大学英文科卒。歴史、政治、デザイン、軍事など、ノンフィクションの多様なジャンルの翻訳に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なむさん
6
島国として、王・天皇がいる国として、あとは個人的に好きなものの多くがその国の発祥だと知った時から、なんだか勝手にシンパシーを感じて好きになったイギリスという国。住んでみて国民のプライドや迷信深さも日本人の精神性と通ずる所があると気付きました。司書さんにオススメを聞いて現地の図書館で読んだ神話集は難しい英語だらけで残念ながら断念しましたが、この本は読みやすい日本語で、イギリスの雰囲気たっぷりで、とても良かったです。神話もですが、歴史的裏付けについても解説されていて、その辺りの知識のない私には有難かったです。2023/10/15
ブルーツ・リー
5
イギリスは、独自の物語の体系を持っているな、と思った。 これが大陸の神話となると、どうしてもギリシャ神話がベースになって、似たような物語を民族毎に違った角度から読み替える事が多いように思うのだが、イギリスに関しては、そもそものベースにあるものが、ケルトの神話なのだと思う。 そのため、龍が出てきたり、妖精が出てきたり、大陸とは異なる文化感を保つ事となった。 ギリシャと、それを意図的に受け継いだローマの価値観とは異なる発想で物語が書かれ、独自の物語感は現代にもゲーム辺りへと流れ込んで、生き続けていると思った。2023/03/01
takao
2
ふむ2022/12/22
たかし
1
時間経過に従ってトロイアのブルータス、ベオウルフ、アーサー王などの神話伝説について概要を説明する。ベオウルフにキリスト教の影響があるという話はなかなか興味深い。最近はどういう伝説や物語があったのかという話よりも、どういう経緯で物語が作られたのかという方に興味がある。収録されてる絵画や彫刻も美しい。ただ、一冊で古代から近現代まで解説するためにどうしても薄味にはなってしまう。2024/10/15
くるたん
1
イギリスの民族史。ローマの衰退。侵略と略奪の歴史。前半部ではイギリスという国の成り立ちとその物語が生まれた土壌(イギリスの物語や伝説には独特の雰囲気があるが、それがどこから発せられるものなのか)について深く教えてくれる。後半部では「ベーオウルフ」や「アーサー王伝説」から騎士物語といった個々の伝説や物語のあらすじと解説、そして妖精、20世紀の作品について。シェイクスピア作品について知識がある人なら、妖精についてのくだりは興味深く読めるだろう。図版が美しくすばらしい。じっくりと時間をかけて読むべき1冊。2023/02/08