目次
序章 “唐の秩序”再構築への試み
第1章 『新唐書』の再検討―回鶻伝を手掛かりに
第2章 『新唐書』の編纂における問題―武則天期“鉄勒四部の南徒”を手掛かりに
第3章 『新唐書』地理志の編纂と“羈縻州”条
第4章 唐代の「羈縻」と「臣属」
第5章 唐代の「蕃」
終章 “唐の秩序”解明への手掛かりとして
著者等紹介
西田〓子[ニシダユウコ]
1985年生まれ。2018年、大阪大学大学院文学研究科博士後期課程(東洋史学専攻)単位取得退学。2020年、博士(文学)。現在、大阪大学大学院文学研究科招へい研究員、甲南大学、関西大学、大阪樟蔭女子大学等、非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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韓信
2
『新唐書』の史料批判から、従来から理解されてきた「羈縻体制」像が、宋代士大夫たちの唐代観のフィルターをとおしていることを明らかにし、唐代史料に見える「羈縻」と「蕃」の実際、ひいては唐朝の支配体制そのものの見直しを迫る画期的論考。本書の刊行前後で明らかに唐代史への視角が変わり、新唐書の取り扱いが慎重になるであろう衝撃的な内容。近代歴史学的な史料批判もなく先行史料を網羅的につぎはぎしてむりやり整合性をとっている新唐書の編纂方針の種明かしは、今後該書を扱う研究者に対しハードルを一気に上げる鬼畜の所業ともいえる笑2024/08/15