内容説明
〈まったく信頼出来ない語り手〉による衝撃の超認知症小説「ペニスに命中」。太陽の黒点の異常、電子システムの異常、「お風呂が沸きました」等電子音声の異常、異常の連続を描く表題作。午後四時半を征伐に向かった男が国家プロジェクトに巻き込まれる「奔馬菌」。前人未踏のパラフィクションに挑む「メタパラの七・五人」。錯乱なのか預言なのか。天才筒井の進化が止まらない。衝撃の傑作10編。(解説・佐々木敦)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Sam
38
2010年刊行の短編集。解説によれば、同時期の作品を集めた「繁栄の昭和」を「ノスタルジー編」とすればこちらは「ナンセンス/シュール編」とも呼ぶべきもの。いくつかの作品に見られる「実験的意図」にはあまり興味はないが、冒頭の「痴呆(暴走)老人小説」はじめ、筒井康隆らしい、相変わらず冴えた作品もあって笑わせてもらった。笑ってる場合じゃないかもしれないけど。2021/06/08
KEI
37
今回は正直読みにくかった。ところどころ狂言回しで作者がでてくるパターンにちょっと飽きたな。三字熟語、メタパラはななめ読み。ウクライナ幻想は今読むと考えるところあり。2024/02/05
10$の恋
34
いつものことなれど、筒井さんの作品は読み手が責任をとることが肝要。読むか読まんか…それは貴方しだい(笑)。まずね、1ページ目の数行を読んで啞然とするか身構えるか、はたまた苛立ちや戸惑いを覚える人は読むのん止めときなはれ。この本ほとんどこんな感じやから。私と言えば「ひゃっほ〜!いきなり筒井節やんか〜♪行ったらんかい」と小躍りしながらずんずん楽しんだけどね♬何事にも否定や批判をかますことが、如何にも賢そ〜に賛同され罷り通る昨今。その点、筒井大先生は怖さ知らずで清々しい。読むんやったら文句言わんとってや。2023/06/24
Aminadab
23
岸本佐知子『わからない』を読んだら無性に筒井康隆が読みたくなって駅前の本屋で買ってきた。親本が2015年刊、筒井は1934年生まれだから81歳の作。とは信じられないほどの平常運転。「驚愕の曠野」(1988年)あたりで完成したスタイルの作を一定ペースで出し続けている感じか(読んでない作がたくさんあるけれど)。この作中では巻頭に置かれた「ペニスに命中」がベストか。一人称の主人公が説明抜きでやりたい放題をする昔ながらの作風に、老人ならではの「惚け」芸をプラスして重層性を増した。もう一作挙げるなら「奔馬菌」か。2025/06/06
遊星
23
個人的に筒井康隆熱が云十年ぶりに再来。未読作品に手をつけ始めようとしたところ本書文庫化の報を聞き早速読んでみた。メタフィクションというのかポリフィクションというのか、佐々木敦氏の解説にあるとおり、実験的な作品がずらっと並ぶ。壮観。登場人物たちが登場人物であることを意識するなんてのはもはやお家芸中のお家芸。3文字熟語だけで小説として成立させてしまうなんてのになるともう筒井康隆にしかできない芸当。嘆息。と書きつつも最後に収録されたウクライナに関する付記にちょっとせつなくさせられた 笑。2021/11/03
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