講談社選書メチエ<br> イスラムと近代化―共和国トルコの苦闘

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講談社選書メチエ
イスラムと近代化―共和国トルコの苦闘

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  • サイズ B6判/ページ数 262p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062585446
  • NDC分類 226.6
  • Cコード C0322

出版社内容情報

イスラムと近代国民国家は、いかにすれば両立可能か? イスラム世界における近代化の難問を、トルコ共和国の苦闘を通して概観する。

イスラムと近代国民国家は、いかにすれば両立可能か? イスラム世界における近代化の難問を、トルコ共和国の苦闘を通して概観する。

内容説明

「世俗化」=「近代化」「イスラム」=「反動」では、ない。「共和国トルコの父」ケマル・アタテュルクによって否定されたはずのイスラムは、なぜその後も長く生き残ったのか。幾重にも複雑に絡まった糸を解きほぐし、イスラム世界における近代化の問題を「脱イスラム」のフロントランナー、トルコ共和国の歩みから読み解く。

目次

序章 オルハン・パムクと「東洋VS.西洋」
第1章 トルコ共和国成立前後における改革とイスラム(オスマン帝国における改革の進展;トルコ共和国における世俗化改革の進展)
第2章 ポスト・アタテュルク時代のイスラム派知識人(イノニュ時代の幕開け;複数政党制への移行とイスラム派知識人)
第3章 一九五〇~七〇年代のイスラム―ヌルジュとトルコ‐イスラム総合論(民主党政権の誕生から六〇年クーデタへ;第二共和政から八〇年クーデタへ)
第4章 第三共和政下のイスラム―ギュレン運動、公正発展党(クーデタ後の体制下におけるイスラム;ギュレン運動の台頭;イスラム政党の自己変革と軍部の介入;イスラム政党とギュレン運動の新展開)
終章 ふたたび「東洋VS.西洋」

著者等紹介

新井政美[アライマサミ]
1953年生まれ。東京大学文学部卒業。現在、東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。トルコ近代史を専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

中島直人

11
(図書館)オスマン トルコ時代における西洋化、ケマル アタチュルクが進めた世俗化と脱イスラム化、その後の揺り返しの経緯、内容。エルドアン大統領出現の背景という意識で読むと物凄く面白いし、良く分かる。2018/02/10

てれまこし

6
一般に、オスマン期の宗教知識人は近代化の受容に楽観的であったらしい。それは、イスラムは容易に西洋の科学技術を包摂しうるという自信があったため。これが共和国以後になると、宗教知識人は反西洋、反科学技術の立場をとるようになる。結果として、イスラムは「狂信」「反動」であるという政府の立場を受け入れてしまう形になる。宗教知識人をそこまで追いやったのは「政教分離」に対する反動ではない。共和国政府による政教分離の否定、政治による宗教の管理に対する反発である。だから民主化が信仰の自由と結びつく。日本とそれほど遠くない。2019/07/10

MUNEKAZ

3
「世俗主義」とイスラムの相克から見たトルコ近現代史。国父ケマル・アタチュルクの急進的な世俗化政策を、イスラム教と現在に至るまでいかに折り合いをつけてきたかがよくわかる。2016年7月のクーデター未遂で注目された「ギュレン派」について知れたのもよかった。なんとも捉えどころのない道徳運動みたいな存在で、そら強権的な政治家からは目の敵にされるよねってところか。2016/09/12

可兒

3
世界中で自明とされている文明発達論をヨーロッパ半島の特例と喝破し、イスラムを前提とする近代思想について詳しく説明されている。現代の「イスラム派」に至る道まで網羅されていてありがたい2013/04/20

メルセ・ひすい

3
ムスタファ・ケマル・アタテュルク(Mustafa Kemal Atatürk, 1881年3月12日 - 1938年11月10日)は、オスマン帝国の将軍、トルコ共和国の元帥、初代大統領 国際空港名 廟…トルコ国民のアイドル 「共和国トルコの父」によって否定されたはずのイスラムは、なぜその後も長く生き残ったのか。それがイスラム教の本質 コーランを日に五回唱えることで一生を全うできる教え。文字など分らなくてもOK.艱難辛苦を乗り越えられる。イスラム世界における近代化の問題を、トルコ共和国の歩みから読み解く。 2013/03/25

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