赤ヘル1975

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  • サイズ B6判/ページ数 507p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062187046
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

読むと一生消えない炎が灯る。“奇跡の年”1975年に広島に生きる人たちは、皆譲れないものを抱えていた。著者渾身の感動長編。一九七五年――昭和五十年。広島カープの帽子が紺から赤に変わり、原爆投下から三十年が経った年、一人の少年が東京から引っ越してきた。
やんちゃな野球少年・ヤス、新聞記者志望のユキオ、そして頼りない父親に連れられてきた東京の少年・マナブ。カープは開幕十試合を終えて四勝六敗。まだ誰も奇跡のはじまりに気づいていない頃、子供たちの物語は幕を開ける。

重松 清[シゲマツ キヨシ]
著・文・その他

内容説明

1975年、広島カープ初優勝の年。三年連続最下位だったカープは、開幕十試合を終えて四勝六敗。まだ誰も奇跡のはじまりに気づいていない頃、やんちゃな野球少年のヤスと新聞記者志望のユキオは、東京から引っ越してきた“転校のベテラン”マナブと出会った。マナブは周囲となじもうとするが、広島は、これまでのどの街とも違っていた―。

著者等紹介

重松清[シゲマツキヨシ]
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。出版社勤務を経て、執筆活動に入る。1991年『ビフォア・ラン』でデビュー。1999年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞を受賞。2001年『ビタミンF』で直木賞を受賞。2010年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

202
久しぶりの重松さん作品でしたが、本当に何もかもが‘お上手’でした。時はタイトルどおりで1975年の昭和50年、広島東洋カープの快進撃を背景に広島が受けた原爆の悲劇の後遺症をシリアスすぎることなく、ヒューマニティあふれる描写で書き綴り、広島弁前回の「ヤス」と「ユキオ」、全国各地を転々と転校している「マナブ」の3人の中学生が繰り広げる笑いあり、涙ありの傑作です。ページ数も気にならず、どんどん読ませてくれるので、疲れも感じず、読み心地の良さは格別です。自分の出身地を愛するって、とても大切なことかもしれませんね。2014/09/27

よこしま

198
あと3日で2015年。原爆が投下され戦争が終わってから70年、カープの初優勝から40年ですか。もう70年ではなくて、まだ70年。しかし、直接被爆された方の生命は減るばかり。一度は行ってみたい原爆ドームや資料館。それでも、マナブがヤスに言われたように「ヨソもん」であって、やはり被爆による苦しみは未だ解かっていないと思います。だからこそ、これから増えだす福島第一の苦しみを考慮し、重松さんは、あえて広島を題材にされたんでしょうね。カープへの愛着は、大洋ファンの私には羨ましいかも。マナブに真理子、頑張れ!2014/12/29

ちはや@灯れ松明の火

167
赤は血の色、炎の色、あの日街を覆った苦しみの色。焼け跡から芽を出し、市民の募金と声援で育った我らがカープ、弱くても貧しくてもファンのガラが悪くてもそれが広島の色じゃけえ。鯉の季節が過ぎても続く赤ヘル旋風、巨人の帽子を被った転校生、今も癒えずに残る戦争の傷痕。市民球場から生じた熱が、よそモンの心にもじわじわと伝わってくる。老若男女浮足立つ『それ行けカープ』、勝ち星と共に積み重ねていく別れ、揃いの赤い帽子で並んだ連れ三人。終わりじゃない、これは始まり。赤は血の色、炎の色、あの日、あの年、街を包んだ歓びの色。 2016/09/09

やっさん

140
★★★★★ 汚い野次、荒れたグラウンド、硬い外野席の椅子、紙吹雪・・・。旧広島市民球場の懐かしい光景がくっきりと甦り、感慨無量。原爆は重くなりがちな題材だけど、カープの話に織り混ぜることですごく自然に読めた。2017/04/07

佐々陽太朗(K.Tsubota)

128
1975年。私が高校に入学した年。ベトナム戦争が終結した年。バンバンの「『いちご白書』をもう一度」がヒットし、港のヨーコはハマからヨコスカに流れ、たいやきくんは喧嘩して海に逃げ込んだ。この年の赤といえば、日本赤軍がクアラルンプールでアメリカ大使館を占拠したテロ事件。これはボケタレだ。アッパレだったのは赤ヘル軍団・広島カープの球団創設以来のセ・リーグ初優勝だった。あの時代の記憶がよみがえって懐かしく温かい気持ちになった。市井の人が悲しみや怒りを胸に秘めながらも、周りの人、仲間を大切にして生きている姿に感動。2014/01/04

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