出版社内容情報
【内容紹介】
明治維新史を彩る橋本佐内が、若くして著した『啓発録』は、自己規範・自己鞭撻の書であり、彼の思想や行動の根幹を成す。書簡・意見書は、世界の中の日本を自覚した気宇壮大な思想表白の雄篇である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
76
本書は著者が15歳の時に書いた「書」で、かの吉田松陰や西郷らに影響を与えたとのことで、気になって手に取りました。いやはやこの歳(50代)になって15歳の書いた「書」に煥発させられるという貴重な体験をさせていただきました。有難いことです。2025/03/11
かわうそ
51
本書は自分に向けて書いたと左内も言っていますが、まさにそのおかげで自らの思想を最高の状態で表現できているのだと思います。 『酔生夢死の者にはなるまじと、直ちに思ひ付き候者にて、これ即ち志の発する所なり。……世上の人、多く碌碌にて相果て候は、他に非らず。その志太く逞しからぬ故なり。』P32 『今日聖賢豪傑に成らん者をと志し候ならば、明日明後日と、段々にその聖賢豪傑に似合はざる処を取去り候へば、如何程短才劣識にても、遂には聖賢豪傑に至らぬと申す理はこれなし。』P332023/03/10
かわうそ
43
『酔生夢死のものにはなるまじと、直ちに思ひ付き候者にて、これ即ち志の発する所なり。』32 『今日聖賢豪傑に成らん者をと志し候はば、明日明後日と、段々にその聖賢豪傑に似合はざる処を取去り候へば、如何程短才劣識にても、遂には聖賢豪傑に至らぬと申す理はこれなし。丁度足弱な者でも、一度江戸行き極め候上は、竟には江戸まで到達すると同じき事なり。』33 ここまで人を鼓舞できる文章を子供の時にかけてしまうのは素直にすごい。間違いなく天才です。2023/07/21
かわうそ
37
32「志なき者は、魂なき虫に同じ。何時まで立ち候ても、丈ののぶる事なし。志一度相立ち候へば、それ以後は日夜おひおひ成長致し行き候者にて、萌芽の草に膏壌をあたへるがごとし。」当時、15歳の橋本左内が書いた文です。確固たる1つの志を持たなければ人間は成長しえない。 35「志の立ち定まっていない者は、魂のない虫けらと同じで、いつまでたっても少しの向上もないが、一度志が立って目標が定まると、それからは日に日に努力を重ね成長をつづけるもので、まるで芽を出した草に肥料のきいた土を与えたようになる。」現代語訳も良いです2022/10/03
カブトムシ
27
講談社学術文庫の橋本左内「啓発録」をこの歳(当時50歳前後)になって読んでいる。橋本左内は、26歳で安政の大獄に連座した。その精神の気高さに驚いている。(2006年の私の感想)<はしもとさない>(1834年~1859年)江戸時代終わりの尊王攘夷の志士。福井藩の医者の子として生まれた。将軍の後継ぎ問題が起こると、福井藩主松平慶永を助けて、一橋慶喜を将軍につけるために活躍した。しかし、58年、目的が達成されないうちに、井伊直弼によって安政の大獄でとらえられ、26歳の若さで殺された。(世界人名事典、教学研究社)
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