バフチン―対話とカーニヴァル

バフチン―対話とカーニヴァル

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  • サイズ B6判/ページ数 429p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062659109
  • NDC分類 108
  • Cコード C0010

内容説明

小説の中で作中人物(他者)が作者から独立して動き、両者が対話的関係に入る。これは他者が作者=自己の内に住むからである。自己の中には無数の他者の声が常に鳴り響いている。自己は他者を孕みつつ世界に対して外に立つ。他者との対話にあって自他の枠組みははずれて常軌を逸脱し、高尚と猥褻が混じり合ったカーニヴァル的世界の中に無化されてゆく。

目次

プロローグ 初めにことばがあった
第1章 軌道をはずれた生涯
第2章 小説の「哲学」の構築
第3章 言説論―持続と変容
第4章 「哲学」の極みとしてのカーニヴァル
エピローグ 「鏡」の中の「自他」の関係

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

40
ドストエフスキーの読みに大きな影響を与えている邦題『ドストエフスキーの創作の問題』と大きく増補、改定された『ドストエフスキーの詩学』の異同を中心にバフチンの小説論が論じられています。その中でポリフォニーの論点では他者の声の侵食として『小説の言葉』が、カーニヴァルの論点では笑いの両義性として『ラブレー論』が言及されています。後者についてプロップにも触れられており、深い研究や思想が時として登場し、ヨーロッパにとっては他者であるが日本とは違い認められるロシア語圏(シリーズで唯一のロシア語圏)の独自性は貴重です。2022/05/14

またの名

10
別人の著者名を持つ専門書を実はバフチンが執筆してたのでは説の、一人の言葉にはすでに複数の他者の声が入り混じっている構造を説明するポリフォニー論を研究してた学者にあまりにも合致してる出来過ぎぶり。スターリン死亡の時期に「彼が死んだ」「なんという喜び!」という例文をコンテクスト次第で喜びの表明ともアイロニーとも理解できると淡々と記すバフチンの書物は論じてる内容においてと同じく論じる当の文章においても、自他による削除修正が加わり余計に一義化できない多くの声が混雑し合う。面倒な世界を面倒なままに見た思想家を解説。2020/03/14

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