内容説明
大英帝国での“レジャーとしての旅行”誕生の様を、創始者の生涯とともに活写する。
目次
第1章 歴史的な団体旅行
第2章 禁酒運動と団体旅行
第3章 万国博ばんざい
第4章 大躍進
第5章 クックの旅は世界中へ
第6章 大英帝国の総代理店として
第7章 晩年、死、そして後継者
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
SQT
5
超良書。まず、ものすごく読みやすい文章。観光研究の本で、クックがパックツアーを始めてマスツーリズムが結実した、というのはよく見ていたけど、それがクックの息子の代になると、客層を上流階級向けにシフトさせていったというのは初知りだったし、いろいろと考えさせられるところがある。面白い。上流階級の個人ツアー(個人とはいえ大量のお供を連れていくから、たくさんの物が必要になるんだけど)を企画するなかで、インドの植民地政府と人脈ができて、仕事をいろいろ任されるようになって、結果ビジネスが上向くというのは、なるほど!と。2017/07/15
うえ
3
世界で最初に団体旅行を成功させたT・クックの興味深い生涯。元々は利益追求ではなく禁酒運動アピールの為、当時、目新しかった鉄道を利用していたというのは面白い。当時の英国は酒類が蔓延しており、児童の朝食での麦酒や幼児にすら泣き止ます為のジンが用いられていた。禁酒運動にのめり込む背景も詳述してある。鉄道ツアーが金に成り始めると、鉄道会社自身がツアー企画に出、クックは排斥される。そこをロンドン博やパリ博など海外ツアー企画によって、クックは打開していく。この道を一人で切り開いていったパイオニアであったのだ。2023/01/01
Mikarin
3
今日のツアーの原点ということで…かっては大変高価で苦痛に満ちた極一部の人達だけのものだった「旅」が、産業革命時の蒸気機関発明に従う鉄道と蒸気船の普及で大変早く、快適にそして団体料金ということで安価になった。 翻り、これからの時代の変化、インターネットの進展、AI、VRの普及で「旅」も劇的に変わる気がする。特にVRの普及に旅行関連のコンテンツがそれなりの役割を果たすのではないだろうか?2017/03/31
やまぐてぃ
2
おもしろかった。現代のパック旅行の起源となるクック社の物語。南極とかに行ったクックさんとは別人みたいですね。アメリカの大陸横断鉄道の敷設、スエズ運河の開通などが旅に与えた影響もわかりやすい。挿し絵が多くて読みやすかった。良書。2012/01/31
残留農薬
1
著者の語り口と「海外経験」風が鼻についたが、まあまあ面白かった2014/07/11
-
- 和書
- 文法小論集 三上章著作集