内容説明
自分とは何者か?これまで何をしてきたのか?何のために生きているのか?生涯に幾度か訪れる自己喪失や自己崩壊の危機を、いかにして乗り越え、本当の「自分」に出会うか。
目次
第1章 「自分」とは何か
第2章 エリクソンの自己形成史
第3章 ライフサイクルとアイデンティティ
第4章 臨床問題としてのアイデンティティ
第5章 日本人のアイデンティティ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
森
11
図書館のリサイクル本、心理学者エリクソンの生い立ち、考え方の概念の記載と少しの臨床例等です。どちらかというと専門書です。はじめは、取っ付きやすかったのですが、二章辺りから専門的になって、斜め読みに。少し残念かな、2016/01/12
テツ
10
フロイトの弟子であるエリクソンが提唱したアイデンティティという概念。自分という存在を自分一人で見出しそこに至れるわけではなく、群れを構築し社会を形成するぼくたちは、そことの関わりを通じてのみ自らのアイデンティティに気づき自らを鋳造することができる。多種多様な社会に同時に存在しなければならない現代社会においては、アイデンティティを適宜使い分ける必要があるということ。確固たる揺るぎない自分=アイデンティティといった幻想と逃避はやめにしないとなあ。それは各発達段階で選択し自らの意思で付け替えられる程度のものだ。2023/08/29
ank
5
主治医から古典的な本、懐かしいねぇ、と言われました。今まで読んできた本も良書でしたが、本書が一番しっくりきました。ここから枝葉を拡げようと考えています。2017/10/14
中島直人
5
【借】心理学に関する一つの概説をサラッと読める。テーマは重たいが、難しいところはなく読みやすい。内容についてはイマイチ共感できず、私的には養老孟司さんの方が好き。自分探しは、それに人生を費やす価値はない。自分は相対的な姿、事象に過ぎず、探している間に違う自分になっている。存在しないものを追いかける人生など虚し過ぎる。2014/10/14
Jas
3
非常に面白く、夢中になって読んだ。エリクソンの提唱した「アイデンティティ」について、少しは理解できただろうか。この本のお陰で、自信の懊悩がアイデンティティに関するものだったのだと自覚することができた。「自分が自分でなくなる恐怖」よく分かる。この不完全な社会では、「正気」の人間が苦しむものなのだろうか。「正気」の人間は、この社会では「異常」とみなされる。しかしそのような創造的な人々が、長いものに巻かれず社会をより良く変えていくものなのかもしれない。2022/12/27
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