限りなく透明に近いブルー

限りなく透明に近いブルー

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  • サイズ B6判/ページ数 209p
  • 商品コード 9784061128231
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

【内容紹介】
麻薬とセックスに明け暮れるスキャンダラスな青春を題材に、陶酔と幻覚の裏の孤独を描く詩的情感と清潔な感受性。24歳のきらめく才質が創る衝撃の“青春文学”。芥川賞受賞作

村上龍『限りなく透明に近いブルー』はひとつの「出現」であるといわねばならない。この作品が《ロックとファックの時代》を鮮烈に代表する1つの透視画ふうな立方体としてはじめて現われた作品であることは疑いをいれない。この作者の発想が鮮明で、しかもつぎつぎととぎれもなく奔出してくるその持続性と、なんらのいや味も誇張もなくセックスを描く平静性は、恐らく、生得の資質であると思われるけれども、また、この作品の全体の構成が十分に考え抜かれたものであることを思いあわすとき、この若さですでにこの作者に冷静な反省力も構成力も備えられていることを知らされる。これは感覚と思索が或る根元的な場で緊密につながっていることにほかならぬのであって、まさに「驚き」である。──埴谷雄高

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hit4papa

46
ドラックと乱脈な性の中で日々を過ごす青年を描いた作品です。自身の今についての悔悟とか、未来への希望や絶望とかが殊更、語られるでもなく、ただこの時のみという生き方を強く感じます。本作品を読んだ少年の頃は、退廃という語につきる生々しい描写と突き放したようなクールさに衝撃を受けました。あらためて読み直してみても、その時の印象は変わりません。最後の一文にぐっとくるのも同じです。実体験からでなければ表せられないリアルがあります。20代の村上龍さんの文章に、味わいがある事に今更ながら気づいたのですがね。【芥川賞】2018/10/15

Tadashi_N

17
ジャンキー、乱行、米軍基地、福生市。2023/04/11

ソープ

17
いやはや、近隣街が舞台であるものの。当時これ程の雰囲気はあり得るような背景は在るものの信じ難く。とても凄い内容でした。とりあえず全てを並べたくして思うままに書いた小説なのでしょう。支離滅裂の感想で失礼いたしました。2014/03/15

凪織

14
課題のために読んだ本なんだけど、そうじゃなかったら読み切れなかった。爽やかなタイトルに反して、内容は薬に狂った若者とどぎつい性描写のオンパレード。文章力・表現力は圧倒的だけど、痛いし、気持ち悪いし、錯乱しているしで辛かった。あんなに狂っているのに、どこか淡々とした主人公に、得体の知れない、恐怖に近いものを感じた。ただ、作中の若者が漠然とし、ふらふら漂うさまは、今の若者にも通じるところがあるのかもしれない。2014/01/07

ryo4016

11
一度、読むのを止めたが、最初から読み直した。薬物による退廃した青春。幻覚、匂いなど、強烈に表現されていく。感情が無く進んで行くが、終盤に向けて、リュウや仲間たちの感情が現れてくる。退廃した生活の中での若者の迷い、不安が表現されている。2021/09/12

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