内容説明
子供は作らない。それは自分の血を複製したくないからだ。子供を作ると自分の問題が子供にトレースされてしまう。だったら、自分は自分の家系図をここで断ち切るという前提で生きる。原宿６％ＤＯＫＩＤＯＫＩ・増田セバスチャンが自らの出自を赤裸々に綴る衝撃の自伝。
目次
第１章 家庭内犯罪
第２章 思春期・葛藤・リストカット
第３章 バブル崩壊・家庭崩壊
第４章 モンスターの日に作ったモンスター
第５章 連綿・連鎖・煉獄
第６章 砂漠
第７章 緊急病棟・フルーツ牛乳
第８章 滞在許可証
終章 営団地下鉄千代田線「代々木上原」行き
著者等紹介
増田セバスチャン［マスダセバスチャン］
ヴィジュアルディレクター・プロデューサー、アーティスト。１９７０年生まれ、千葉県出身。１９９４年まで前衛演劇・現代美術の世界で活動後、１９９５年“センセーショナル・ラブリー”をコンセプトにしたショップ、「６％ＤＯＫＩＤＯＫＩ」を原宿にオープン。その後、国内や海外問わずミニショップの展開、ワールドツアーなどを行い、女の子に向けたジャパニーズポップカルチャーを世界に発信。またヴィジュアルショー、ｉ‐Ｐｈｏｎｅアプリの製作、講師などを務め、幅広いジャンルで活躍中（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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僕素朴
4
リストカットではなく、子供を作らないことで家系図をカットするという題。代わりに6％DOKIDOKIという形で遺伝子を残した。そこに至るまでの道のり、渋谷で夜遊びから演劇に行って、飴屋さんと出会って、でもモノトーンで無機質なビジュアルを古臭く感じて、という分岐点が面白い。カラフルでパンクな店をめざしているのに、メンヘラのオタクばかり来ると苛立つ。理由を探して客をよく見ると、自分と同じ、家族の問題、自分を変えたいという課題がある。そこから舞台表現に立ち戻るカタルシスが凄い。娘とロクパー行きたいな。2016/07/15
ちゅんちゅん
3
星3つ。テレビの対談番組で著者を初めて知り、気になったので読んでみた。仕事の関係でシングルマザーの多さとそれに伴う貧困に直面することが多いのだが、環境が人格にどれほど影響を与えるか。著者も最後に語っていたが、この経験談は多くの人に響くと思う。著者は才能と運に恵まれた稀な人であり、環境に恵まれないほとんどの人は不幸の連鎖、トラウマが残っていくのだろう。その元は親、そしてその又親に起因している。どこかで断ち切る為のカッター。「犯罪者」になっていたかもしれないと言う著者の選択。2016/07/29
猫田
1
★★★無印良品のようなシンプルさが好きなので、いわゆる「Kawaii」は対極のセンスであり、まったく興味もなかったが、テレビの対談番組を見て、増田セバスチャンという人に興味をもった。この人が、長年の自分の感情から解放されたら、作品のありようも変わるんだろうか。何にせよ、思うままの作品を作り続けてほしいです。2016/08/06
吉田良二
1
インディーズブランドブームの時は今でも活動を続けている本当に面白いデザイナーが沢山いて、同潤会アパートにも危機裸々商店とか原宿洋品店とか大人が眉をひそめる得たいの知れない面白いお店が山程あったなぁ。今は松戸から表参道まで出掛けるとか出来ないなぁと考えると、景気のよいおおらかな時期だったのかも。かつて汚い大人にアンチを吐いた子供は大人になったらどうなるだろう2015/09/26
Y2K☮
1
「ＫＡＭＩＮＯＧＥ」で初めて著者を知った。きゃりーの動画を見た時に「これは新時代のパンクだ」と思ったけど、まさに著者の人生がパンクでオリジナルでアバンギャルド。マイノリティーへの優しさも含めて。しかも家庭における被害者の自分だけでなく、加害者の自分についても書き記すフェアな真摯さ。嘘つきで汚い大人になりたくないからこその子供っぽいファッションか。主張の強いカラフルさもグレーで曖昧な大人の態度へのアンチテーゼだろう。今度原宿のお店行ってみよう。革命バッジとか欲しいし。増田セバスチャン、今後も要チェック！2014/03/18
