わくらば日記

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  • サイズ B6判/ページ数 286p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784048736701
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

姉さまの”あの力”は、人を救いもしましたが――。
人や物の記憶が”見える”不思議な力を持つ少女が出会った、五つの事件、様々な人々、そして人なればこその、深い喜びと哀しみ。 気鋭の直木賞作家が、ノスタルジーとともに、現代人の忘れ物を届けます。 懐かしくてやるせない、五つの物語。 昭和三〇年代。当時私は東京の下町で母さまと姉さまと三人、貧しいながらも仲むつまじく過ごしておりました。姉さまは、抜けるように色が白く病弱で、私とは似ても似つかぬほど美しい人でしたが、私たちは、それは仲の良い姉妹でした。ただ、姉さまには普通の人とは違う力があったのです。それは、人であれ、物であれ、それらの記憶を読み取ってしまう力でした・・・・・。
小さな町を揺るがすひき逃げ事件、女子高生殺人事件、知り合いの逮捕騒動・・・・・・不思議な能力を持つ少女が浮かび上がらせる事件の真相や、悲喜こもごもの人間模様。現代人がいつの間にか忘れてしまった大切な何かが心に届く、心温まる連作短編集。

内容説明

昭和三〇年代。当時私は東京の下町で母さまと姉さまと三人、貧しいながらも仲むつまじく過ごしておりました。姉さまは、抜けるように色が白く病弱で、私とは似ても似つかぬほど美しい人でしたが、私たちは、それは仲の良い姉妹でした。ただ、姉さまには普通の人とは違う力があったのです。それは、人であれ、物であれ、それらの記憶を読み取ってしまう力でした…。小さな町を揺るがすひき逃げ事件、女子高生殺人事件、知り合いの逮捕騒動…不思議な能力を持つ少女が浮かび上がらせる事件の真相や、悲喜こもごもの人間模様。現代人がいつの間にか忘れてしまった大切な何かが心に届く、心温まる連作短編集。

著者等紹介

朱川湊人[シュカワミナト]
1963年大阪府生まれ。慶應義塾大学卒業。出版社勤務を経て、2002年「フクロウ男」で第41回オール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。03年「白い部屋で月の歌を」で第10回日本ホラー小説大賞短編賞を、05年『花まんま』で第133回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あつひめ

130
東京オリンピックを数年後に控えた昭和の時代。舗装道路より砂利道の多かった時代。そんな夕焼けの中に浮かぶような物語。不思議な力が姉の体を蝕むかのように、いつの間にか振り回されるように事件に巻き込まれていく。今とは違う家族のかたち、世間との繋がり。なんか…懐かしい世界に迷い混んだ気分で読み終えた。やっぱ…朱川さんだなぁとしみじみしなから。今回も表紙がいいんですよ。表紙も物語のムードつくりに一役かってます。引き続き、昭和の時代をさ迷ってきます。点訳したい1冊。2013/09/08

紫 綺

126
昭和30年代を舞台に、姉が超能力を持った姉妹の連作短編。次々と起こる事件を解決していくのだが、どこか優しく、どこか悲しい気持ちになった。私が生まれた頃の話だからだろうか、それとも朱川マジックなのか?2014/01/14

しろいるか

99
昭和30年代の東京下町を舞台にした不思議な物語。戦後10数年が経ち高度経済成長の波に乗り豊かになっていく様子や「隣の子も叱る」ような生活が当たり前だったこの時代がとても好きだ。お化け煙突の懐かしい不思議感がこの作品を象徴していると思う。つい先を読み急ぎたくなる巧みな構成でどの話も楽しんだが『流星のまたたき』が一番好き。切なさと永遠と思えるような哀しさが残る。『春の悪魔』姉妹の父の子供時代の話がすごく恐いよ~!そして特筆すべきは姉妹の母。厳しさと優しさ、品の良さ、逞しさ。まさに「日本の良き母」の姿!2011/10/11

エンブレムT

98
私にとっては、初の朱川作品です。昭和30年代の、戦争の爪痕が残る東京の下町。貧しくも逞しく生きる人々の生活が生き生きと、でもどこか寂寥感を伴って目の前に広がりました。特別な能力を持つゆえに、陰惨な事件の裏側までも『視る』ことを求められた心優しき美貌の姉さま。彼女の妹・和歌子の丁寧な語りで綴られた、温かくも切ない物語。痛みにも似た彼女の後悔が物語りを覆ってる感じです。『春の悪魔』での母さまのクラさんへの言葉が胸に響きました。その母さまに対し、姉妹は秘密を打ち明けなかったのだろうか?気になる。続きも読みます!2010/11/04

myunclek

95
私自身の子供だった時代が、すでにレトロでノスタルジックになってしまっている。朱川湊人の書く舞台は、いつも私に郷愁を運んで来る。儚くも美しい少女のある能力で難事件を解決していく訳だが、そんな謎解きより最初から提示される薄命の定めに心が揺さぶられた。裕福でない生活の中、お互いに助け合わなければ生きて行けなかった時代。貧しいながら、心の豊かさがあった時代。そんな昔を思い出しながら、寂しさの中に優しい気持ちにしてくれるお話たちでした。次作では、哀しい結末が待ち受けているのが予告されているが読まずにはいられない。2014/11/15

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