出版社内容情報
近くに新興の商店街ができて商売に陰りの見える風待ち小路。若い2人の恋と、街の活性化のために催された素人芝居の意外な顛末とは?
内容説明
絵草紙屋、生薬屋、洗濯屋…。「風待ち小路」には、小さな店が肩を寄せ合うように集まっていた。芝神明宮の門前町でくり広げられる人間模様、親子の絆、そして許されぬ恋。これぞ時代小説の醍醐味。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ベルるるる
42
「日蔭町通り」と呼ばれるちょっと薄暗く風通しの悪い小さな通り沿いで、商いをしている人達の話。土地の者たちは、愛着とほんの少しの引け目で「風待ち小路」と称している。6話の短編集のようだけど、ひとつの話。2017/12/15
も
38
風待ち小路の人々を描いた連作短編。序盤はなかなか入り込めなかったけれど、中盤あたりからぐんと面白くなって最後はホロリとさせられました。どこの店でも親子の仲や夫婦の仲がうまくいかずにいたのに、いつのまにやら円満になっていた。その辺りの心情の変化も見たかったなぁ2015/07/06
トラキチ
37
書き下ろし作品。直木賞候補作。 2作品目の本作で直木賞の候補に上がった志川さん、市井ものの時代小説の新進気鋭の書き手と言っていいのでしょう。 少し厳しく書きますが、風待ち小路の人々というサブタイトルが示すように、近くに同じような商店街が出来て劣勢となった人々を描き始めるのであるが、途中でまあ主人公と言ったら良いのでしょうね、絵草紙屋の息子である瞬次郎とおちせの恋模様と、おちせが背負った仇討ちの話が入り混じって来ます。ラストなんかは大団円と言う感じで上手くまとめているとは思いますが、前述した主人公格で→続く2013/03/22
baba
35
風待ち小路に住む人々の連作短編でありながら、各章に季節を感じながら人々が交わり過ごす様子が伝わる。日の出の勢いの街に反して地域興しを隠居・若者の店の主がお互いに助六を演じようと張り切り、思わぬ展開になるのは笑えたが、全体を通して中心と思える敵討ちを支えるちせと絵草紙屋瞬次郎の二人の描き方が物足りない。むしろ両親の不仲に心を痛める祐太が段々悟っていく「胸を張れ」の小品が良かった。2014/06/22
ドナルド@灯れ松明の火
31
「手のひらひらひら」に続いて志川さん2作目。吉原が舞台かと思いきや「風待ち小路」を舞台にした市井ものだった。前作同様やはり連作仕立てで、隠居まじかの色々なお店の店主の跡継ぎの頼りなさを軸に、取扱い商品への工夫等小さな商店街が抱える売上減少の対策、そして火事で肉親を失った半襟屋の美人店主に隠された秘密、2作目で江戸ものの安定感が感じられ、只者ではないという感じ。宇江佐真理さんに似ている感じがした。時代小説の世界に、新たに優れた女性作家が登場したことは時代小説ファンにとって同慶に堪えない。2012/11/26




