内容説明
〈スカヤグリーグ〉―生まれながらに障害を背負い、周囲の人々の無知と無理解のために、人間的な生活を奪われたひとりの少年が、最後の拠りどころとして呼びかける、謎の存在。同じように、不幸な星の下にうまれた人人をはげまし、人間的な生活をとりもどすために、少年は、障害者のみ理解できる言語と方法で、〈スカヤグリーグ〉の伝説を織りはじめる。それから数十年。母親の不幸な事故のために、重症の脳性麻痺という障害を負って一人の少女がこの世に生を受けた。その名はエスター。もろく不自由な体の中には、明晰な頭脳と、人一倍負けん気の性格が秘められていた。折りから普及しはじめたパーソナルコンピュータの世界に魅了されたエスターは、このテクノロジーの助けを借りて、人生を切り開こうとしていた。そこで出会う、〈スカヤグリーグ〉の伝説。「伝説」の主人公アーサーの実在を直感した彼女は、かすかな手掛かりをもとに、追跡を始めた…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ルカヲ
1
きっかけは忘れたけど、なぜか大学時代に読みたい本に登録していた本。 訳者が初めて翻訳した本というだけあって、「It's a deal.」(おそらく)を「それは取引だ。」って直訳しちゃうような状態だったので、うっすらと斜め読みを挟みつつやっとの思いで上巻を読み終えた。 タブー視されがちな身体障がい者に対する虐待や性の問題が当時は見逃されていたのであろうドストレートな語彙で描写されている。 下巻を読まないとわからないけど、スカヤグリーグの物語は脳性麻痺の患者たちの願望や防衛本能から生まれたんじゃないかと思う。2025/08/14
ちび丸
0
★★★★★
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