内容説明
闇の修道院を脱出し、暴走する殺人列車から逃れ、懐かしい学園に戻ったヴィクトリカと一弥に、つかの間の安らかな日々が訪れた。季節は、秋。2人がひもとくのは、あざやかな花々と、歴史のうねりに負けず懸命に生きた人々の物語。次なる嵐の予感をはらみつつも、今、このとき、世界は確かに美しい―静かに、ひそかに深まってゆく名探偵コンビの絆―直木賞作家がおくる大人気ミステリシリーズ、珠玉の外伝連作集。
著者等紹介
桜庭一樹[サクラバカズキ]
2000年デビュー。04年『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』が、ジャンルを超えて高い評価を受け、07年『赤朽葉家の伝説』で日本推理作家協会賞を受賞。同書は直木賞にもノミネートされた。08年『私の男』で第138回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
勇波
120
恐るべしブラッドリー一族!!アブリルちゃんコルデリアと対面してたんですね。。本編は全部読み終わったので、懐かしく平穏な物語でした★2014/10/18
エンブレムT
104
作中作として花にちなんだ5つの物語が語られ、タイプの違う不思議物語を楽しめるため、謎解きは軽くても満足度が高い1冊になりました。熱を出して退屈してごねているヴィクトリカのために、一弥が花と本を差し入れ、物語を語り聞かせるという展開。「何?この2人の関係って・・・」と脳内でツッコミを入れつつ、不思議な物語がヴィクトリカの一言で全く違った物語として見えてくる様を楽しみました。あっと驚く変則バージョンだった5話目について、思うところがいろいろとあったんだけれど・・・ネタバレになるので、それはまた別の機会に(笑)2012/09/22
りゅう☆
95
寝込んでるヴィクトリカにお花とお菓子と本を届けに行く一弥。心配して毎日訪れる一弥が健気。それを楽しみに待っているヴィクトリカが可愛い。そして本の中に隠された謎を解く。宮廷恋愛仲の二人がフランス革命により斬首、その悲しき恋愛に隠された生死とは?チューリップ球根取引で富を求めた家族の企みとは?敬愛なる兄の出世のためにマンドラゴラの呪いの媚薬で死に至った真相は本当に呪いなのか?結果、富を築き上げた理由が長年の恋の成就へと結びついた『思い出』って素敵なお話。またコルデリアの愛情の深さが感慨深い。母の愛は偉大です。2019/09/05
財布にジャック
83
今までの短編とはちょっと違った趣のある内容でした。この手の話は大好物なので、もっともっと読みたかったのですが、215ページと短めなのが残念です。どの話も花がキーワードで、フランス、オランダ、中国、アメリカと舞台も工夫されていて、今までの短編集の中では一番好きでした。しかし、最後のエピローグが不穏なムードだったので、せっかく夢心地だったのに、現実に戻されてしまいました。本編は重い内容が待っていそうなので、束の間の休息だったのかなぁと思うと、寂しくなってしまいます。2011/12/24
柊龍司@中四国読メの会&読メ旅&読食コミュ参加中
74
本編の裏側の事情に少し触れつつ物語が盛り上がってますね。深刻な物語が続く中、アブリルのお約束の庭で迷う姿が清涼剤のよう。それにしても、庭師のおっさんの技術が凄すぎるな。2011/09/27