出版社内容情報
戦国の世。一人の陰陽師の姫が、都を救う。まったく新しい陰陽師物語──!
信長上洛の噂が囁かれる戦乱の京都。数百年ぶりに結界に深刻な穴が生じ、侵入する妖の跳梁を許してしまう。陰陽師・土御門家の娘・光子は、伊賀の忍び7人を護衛に、出雲に隠された霊剣を求める危険な旅に出る──!
内容説明
時は戦国。不穏な戦雲におののく京の都に、無数に張られた結界を破って六百年ぶりに恐るべき天魔が侵入、魔界への口を開こうと画策していた。大陰陽師・安倍晴明の末裔である土御門家の姫・光子は、唯一天魔を討つことができる出雲の霊剣・速秋津比売の剣を取りに行くことを決意。藤林党の若き惣領・疾風ひきいる伊賀の忍び七人を護衛とし、出雲への危険な旅に出発する。はたして光子は都を救えるのか!?新説・陰陽師物語。
著者等紹介
武内涼[タケウチリョウ]
1978年生まれ。群馬県出身。早稲田大学第一文学部卒業後、映画・テレビの制作に携わる。第17回日本ホラー小説大賞の最終候補となった「青と妖」を改稿・改題した『忍びの森』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Rin
61
友人からの紹介本。なかなか文体に馴染めず…スピードが乗らなかった。でも設定は興味深い。安倍晴明の血筋に忍びたち。魔性の存在に人の思惑が入り乱れている。女性の陰陽師である光子が強すぎる訳ではなく心の弱さ、迷いはもちろん式神も万能ではない。術者に左右される部分もあって戦いがより緊迫していた。光子と疾風、忍びたちの旅はまだ終わりではないみたい。光子と疾風に関しては関係の変化もありそうなので気になるところ。残念ながら最後まで読み難さが残ったけれど、残り2冊も手元にあるのでゆっくりと読んで行こうと思います。2019/02/11
キャプテン
44
★★★☆☆_「こぼれ落ちたフェアのかけら」第五弾。【暗く黒い夜の底からフェア】からのこぼれ落ち。この作者(忍者大好き)の良いところ。それは、男心をくすぐる設定づくりが抜群にうまいこと。安倍晴明の血を受け継ぐ姫と、姫を守る伊賀忍者7人の、伝説の剣を巡る逃亡劇。お気に入りさんの美女軍団には、このワクワク感、分かるまい。そんで、この作者の悪いところ。それは、「ドッカーン!」や「ズバーン!」という表現がアホっぽすぎるところ。でも、ドッカーン!をちょっと待ってる自分がいる。では、皆の者、さらばでごさる!ドッカーン!2018/10/18
つたもみじ
31
戦国時代。京の都。魔界への口を開こうと画策していた天魔に対抗すべく、土御門家の姫・光子は伊賀忍者たち七人と、霊剣・速秋津比売の剣を取りに出雲へと旅立つ。テンポがよく戦闘シーンなど迫力があって面白かった。敵は魔物だけではなく剣の力を我が物にしようとする人間たち。英雄として描かれがちな戦国武将や大名たちのえげつない部分が容赦なく書かれていて、歴史的知識、時代考証など、史実と虚構の織り交ぜ方も巧みで良かった。台詞の方言も古い言葉が使われていて、世界観がリアル。忍の生き方の苛烈さ、寂寥感は心に痛かった。2016/12/16
海猫
23
詰め込んだ設定や仕掛けは抜群に面白そうなのに語り口や場面場面の演出があまり上手とはいえず盛り上がらないうえ、やたら読みにくい。急に文体が変わったり場面転換が早くなったりするのはある種の効果を狙っているとは思うけれどもせわしなかったり混乱したりする。物語に枝葉が多いし、ここ要るの?と思う場面も多々あり、なにかと歴史的考察が挟まれるのも求心力が削がれている気がした。書き手が読者にサービスしている感じはわかるんだが。ゴテゴテしたハリウッド映画的内容。かなり好みの話なだけに残念。読みやすければ相当面白かったろう。2012/01/13
miroku
21
都を狙う魔物を倒せる神剣を求めて、娘陰陽師と七人の忍者たちは出雲に向かう。剣を奪わんと襲い来る戦国領主たちの手勢と、様々な忍。その戦いの先には大妖との戦いが待つ。まるで講談のような勢いのある作品。これでもかの面白さ♪2014/09/03