内容説明
“宗教法人炎矢教団総本部”この教団から娘・葉子を連れ戻してほしい―というのが今回の僕への依頼であった。僕が原宿にあるその教団へ娘を迎えに行くと、彼女は意外にも素直に教団を後にした。教団幹部の“オーラの炎によって彼女の身に恐しい出来事が起こる”という不気味な言葉を背に受けながら。依頼はあっさり解決した。但し、その肉のうちに葉子が喉を裂いて冷たくなっていなければ…。(炎が囁く)街をさまよう様々な人間たち。失踪人調査のプロ・佐久間公が出会う哀しみと歓び。事件を通して人生を綴るシリーズ第二弾。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タックン
79
佐久間公シリーズ第2弾再読。短編集。相変わらず失踪人は美少女とか美人さんばっか、加えて美少年も(笑)っで芸能人絡み・・・・・。文庫の背表紙の紹介の(炎が囁く)や(悪い夢)のオチのお粗末さには唖然としちゃった。個人的には(ベースを弾く幽霊)がいいハードボイルド・ミステリーになっててよかったな。でも公ちゃん、いくら仕事とはいえ骨折られたり、殴られたり、銃で撃たれたりして命いくらあっても足りないねえ!!2015/04/10
rokubrain
12
短編6つ。 佐久間公の人間形成がされていくためのエピソードを作ったという感じ。 大沢さんは短編よりも中長編の方がいいと思った。 短編だと物語の深まりが少々物足りなく感じる。 人間のこだわりを描くのにはある程度の長さが必要なのかも。 ハードボイルドの人間観はいい人 or 悪い人じゃない。 先日読んだ「拷問遊園地」でも語られていたが、良くも悪くも大事なのは、 誇りを持っているかどうか、なんだろうというのがこの作品でも感じられた。2019/07/31
色々甚平
9
ハードボイルドものでありながら無敵主人公ではなくあの世一歩手前までいく展開もある。短編ハードボイルドものなのでキャラクターに対して深い追求があるわけではないが、気軽に読むには丁度いい。今までこうやって生きてきてからもう変えることができない人たちがたくさんいたように感じた。噂や一見しただけ、書類上は立派でも中身が壊れている人や、傭兵という裏で生きているような人でも仲間思い、家族思いだったりする。ありきたりな話だけど、たまに読むとスッキリする。2015/05/12
たま@
9
佐久間公シリーズの短編集。「ランナー」と「ダックのルール」が面白かったけど、やりきれない部分もあり、読み終わると次の話まで少し間をおきたくなります。「炎が囁く」では、多分こいつが絡んでるなっていうのは、速攻わかった。だって不自然なんだもん(笑)それにしても、沢辺がだんだんいいキャラになってる気がするw2015/03/04
夜梨@灯れ松明の火
8
図書館。佐久間公シリーズを読もうと思ったのですが、1作めがどこの図書館にもなく…あるものから読み始めたので、3作目からになってしまいました。ハードボイルドです。2018/09/09