内容説明
平穏でも悩みはあって、時々息苦しくなる14歳のつばめ。派手な身なりで底意地悪そう、キック・ボードで現れたあやしい星ばあ。夜空の下、ビルの屋上で二人は出会う。悪態をつかれながらも、恋や心配事を打ち明け、助け合った夢のような時間―。しかし、ほどなく、星ばあは消えた。大空で迷わないようしるしをくっきりと残して―。泣きたくなるほど愛おしい夜空と少女の物語。
著者等紹介
野中ともそ[ノナカトモソ]
東京都生まれ。明治大学文学部卒業。1998年、『パンの鳴る海、緋の舞う空』で第11回小説すばる新人賞を受賞し、作家デビュー。イラストレーター、翻訳家としても活躍している。現在、ニューヨークに在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シナモン
172
映画化本。星ばあと出会った中学生「つばめ」のひと夏の成長物語。ちょっと複雑な家族に対する気持ちや淡い恋心など多感な年頃の中学生の心理描写が丁寧に描かれていた。星ばあは口は悪いけど、大事なことを教えてくれる。私ももっと時間を気持ちよく使うために頭を使おう。心地いい時間が大切なんだもんね。星空とたくさんの屋根を空から眺めたくなりました。映画はさすがの桃井かおりさん(星ばあ)とピュアな清原果耶さん、素敵なコンビでした。2020/09/05
BlueBerry
45
お婆ちゃんが個性的で光っていた。思っていたよりも面白かった。2013/11/09
tokotoko
42
主人公は、中学生の女子、つばめちゃん。ちょっぴり繊細です。思い切って、大好きな亨くんにラブレターらしきものを送ってしまい、悩んでます。書道教室の後、教室の屋上で1人で夜空を見上げるのですが、ある日、先客がいて!「ホシノトヨ」(星ばあ)という奇妙なファッションで、歯に衣着せぬ物言いで、つばめちゃんを驚かせるのですが・・・。夜の屋上から流れてくる空気と、つばめちゃんの素直と、星ばあのあたたかい毒舌が好きでした。1日の最後に読んでね!心が楽~になるから!きっとゆっくり眠れて・・明日の朝には元気になりそうだから。2014/05/12
マク
32
星ばあいいな〜。 人目を気にせず下品な振る舞いをしている点やマコト君の件での臆病さ・不器用さなど人間らしく、本音で語ってくれる存在。 自分にもそんな存在がいてくれたらなぁ。2013/04/16
らじこ
29
ほしばあの下品さ、辛辣さはあくがつよいがすっきりとして潔い。そんな彼女と仲良くなりすごす日々に感動を覚えた。ときにほしばあがくれた言葉は辛辣だが的を射ていて胸の奥に刺さり染み込んでいく。ほしばあの淋しさがわかったとき、重すぎてどうしたらいいのかわからなかったけれど、ファンタジーとみせかけて魂から魂へほしばあからたくさんのものを貰ったようなきかました。刹那の出会と成長の物語であるように思う。 とっても面白く、それでいて非常に切なかった。2015/09/14
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